2005年11月13日朝、中国・北京の高級マンションの一室で、北京随一の高級ナイトクラブ「天上人間」のナンバー1ホステス、リャン・ハイリン(当時26歳)が遺体で見つかった。資産は1千万元を超え、400万元以上のメルセデス・ベンツも所有していた。貧しい農村から成り上がった彼女に、いったい何があったのか。

部屋全体が血に染まり、拷問のような傷が…

 リャンは河北省の貧しい農村の出身である。小学校卒業後に一度は農作業を強いられたものの、高い学力と強い意志で勉学に励み、北京へ上京した。1996年ごろ、「天上人間」に就職している。

写真はイメージ ©getty

 当初は一般従業員だった。しかし、身長約172センチの抜群の容姿と高いコミュニケーション能力、そして英語力で急速に頭角を現した。客との人脈を活かした紹介や投資情報の共有などにも手を広げ、短期間で巨万の富を築いたという。

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 事件発覚の前夜、リャンは自宅で1人だったとみられる。翌朝、保安員が巡回犬の異常な吠え声と濃厚な血の臭いに気づき、警察に通報した。捜査員が室内に入ると、血の海の中でリャンが息絶えていた。

 遺体は残虐な状態だった。首にはロープで巻かれたような痕があり、喉と胸は美工刀(作業用ナイフ)で深く切り裂かれていた。部屋全体が血に染まり、体には激しく争った跡と拷問のような傷が残っていた。

 検死の結果、まず首をロープで絞められ、抵抗したため喉を刃物で深く切り裂かれ、失血死したと判明した。さらに死後に胸部が切り取られるなどの損壊も加えられていた。犯人はリャンに強い憎悪や復讐心を持つ者と思われた。

 数十万元規模の現金や高級宝石、ブランド品はほとんど手つかずで、単純な強盗目的とは考えにくい状況だった。リャンの連絡帳の名簿からは、交友関係が「天上人間」の常連客である中央・地方の高級幹部や実業家にまで及んでいたこともわかった。

 捜査が進むなか、ほどなく有力な容疑者が浮かぶ。事件はその後、誰も予想しなかった後味の悪い結末へと向かっていく。

(つづく)

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