人生後半戦の目指すところ

 なぜって、下り坂を生き抜くのは上り坂とは正反対のプロジェクト。すなわち目的地も違うしルールも違う。なのに我々は上り坂と同じルールで下り坂を下ろうとしているから、努力するほどに本来の目的地から遠ざかってしまうのだ。そこに我らの老後をめぐる全ての苦しみ、矛盾、不安の原因がある。

 ゆえに難しいことなど何もない。上り坂の価値観をひっくり返せばよし。「上り」と「下り」なんだから。逆なんだから。誠にシンプルである。

写真はイメージ ©yotto/イメージマート

 まず、大原則はこれだ。

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 ・上へ行くことが目標(上り)→下へ行くことが目標(下り)

 実に当たり前。下っている時に上へ行くことを目標とする奴などいない。いたらアホである。だがグルコサミンについ反応してしまう我らは現実にこのアホになっているんである。

 この調子で「上りで目指してきたこと」を全てひっくり返してみよう。

 ・得ていくことがいい(上り)→失っていくことがいい(下り)
 ・持っている方がいい(上り)→持っていない方がいい(下り)
 ・広い家に住む方がいい(上り)→狭い家に住む方がいい(下り)
 ・ご馳走を食べる方がいい(上り)→粗食を食べる方がいい(下り)
 ・行動範囲は広い方がいい(上り)→行動範囲は狭い方がいい(下り)
 ・早い方がいい(上り)→遅い方がいい(下り)
 ・便利な方がいい(上り)→不便な方がいい(下り)
 ・地位がある方がいい(上り)→地位はない方がいい(下り)

 こうして書き出していくだけで、なんだか楽しくなってくる。狭い価値観に囚われて頑張らなければと思っていた自分が一気に解放されて、怖いものなんてない気がしてくる。

 そして、人生後半戦の目指すところがうっすら見えてくるはずだ。