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うわあああああ!と、思わず髪を搔きむしった。キリギリスが予想していた金額の6分の1以下だ! 知らない間に会員が続々と解約していたらしい。毎月メールで送られてくる支払い報告をまったく見ていなかったので、会員数が激減している事実を知らなかった。
会員が6分の1以下に減った理由は…
いや、たぶん心の隅で薄々気づいていたからこそ、確認しなかったのだ。例の悪い癖だ。現実逃避。知りたくない現実から永遠に目を逸らそうとするキリギリスの生存戦略。だって、ほら、現実ってこんなに痛いじゃないか!
この数字はかなりの衝撃をキリギリスに与えた。金額の低さよりも、会員が6分の1以下に減っているという現実に打ちのめされたのだ。
理由はひとつしか考えられない。キリギリスの書くエッセイがつまらないからだ。確かにあの病気の後、キリギリスは腑抜けのようになってしまい、以前のようにすらすらと文章を書けなくなった。
病気で死にかけた時に脳が損傷したのか、あるいは単純に加齢のせいか、原因はよくわからない。ただ、錆びついた機械のように脳の回転が鈍り、昔は泉のように湧き出ていたイメージや言葉がとんと出て来なくなったのだ。
真っ白なパソコンの画面の前で茫然としている間に、時間がどんどん過ぎていく。それは叫びだしたくなるほどの恐ろしさだった。
