『永遠の記憶』という伝説が生まれた。

 最新刊『永遠の記憶』を読んで、私にとって感慨深かったのは内海の成長でした。警察という男性社会の中で、最初は一人浮いていると言われつつ、こつこつと頑張ってきた内海が、長い年月を経て、現在の足場を持つところまできた。彼女の歴史には、胸が熱くなりました。

 ここ二十年くらいで環境が変わってきたとはいえ、似たような状況で働いてきた女性たちを東野さんも周囲で見てきて、感じるところもあったのかもしれません。だから勝手に、東野さんからエールをもらったような気持ちになりました。

『永遠の記憶』(文藝春秋)。今作の装丁にも著者の想いが込められている。

 内海だけでなく、湯川も草薙も、長い年月の中で成長し、変化しています。最初はバックグラウンドを感じさせることのなかった湯川が、『透明な螺旋』で母の介護のために横須賀に住み、複雑な家族関係と向き合っているのにも、身につまされました。

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 様々な流れが最後に集まってきて、『永遠の記憶』という伝説が生まれました。ガリレオ・サーガの見事な幕切れを見せていただきました。

ガリレオシリーズの既刊文庫は現在10冊。どこから読んでも面白い。

永遠の記憶

東野 圭吾

文藝春秋

2026年8月5日 発売

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