最新作は、担当者も驚くサプライズだった――。数々のエピソードから、ベストセラー作家の実像とその作品に迫る。
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著作は106冊、累計部数1億900万部…異次元のベストセラー作家
日本を代表するミステリ作家、東野圭吾さんが7月23日未明、大腸がんのため逝去した。68歳だった。
1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、作家デビュー。2023年には、著作100作で国内累計1億部を突破。8月5日に刊行されたガリレオシリーズ最新作『永遠の記憶』を含めて著作は106冊(共著を除く)となり、累計部数1億900万部。1冊平均で100万部を超える異次元のベストセラー作家だった。
東野氏の実像と、誕生から30年となる「ガリレオ」の謎に迫る。
ミステリ作家東野圭吾とガリレオ「5つの謎」
1 『探偵ガリレオ』の謎 〜タブーへの挑戦〜
「オール讀物」誌上で、ガリレオの連載が始まったのが1996年。ガリレオと称される天才物理学者・湯川学が、高度な科学、物理の知識を駆使して、「不可解な謎」を解いていく。
当時、科学トリックを扱った謎解きはミステリ界のタブーへの挑戦だった。
「かつては最先端科学を扱ったり、専門知識を必要とするようなトリックは無粋だと言われていた。(中略)自分が好きな科学を使ったものを、一度書きたかったんです」(東野氏)
科学はマジックでもファンタジーでもない。完璧な論理の積み重ね。湯川は、数々の難事件をロジカルに分解し、トリックを暴いていく。「科学トリックミステリ」という新たなジャンルが誕生した瞬間だった(現在、児童書では人気ジャンルとなっている)。
そして2005年8月、シリーズ初の長編『容疑者Xの献身』が刊行される。直木賞をはじめ、主要ミステリタイトルを戴冠し、累計320万部を突破。41の国と地域で出版され、日本、韓国、中国、インドで映画化されるなど、世界的なヒット作となった。
