今年7月に亡くなった作家の東野圭吾さんは、俳優・歌手の福山雅治さんと親交があった。2人の対談では、「ガリレオ」シリーズの主人公・湯川学は福山さんをイメージしながら書いていることを、東野さんが明かしていた。これを聞いた福山さんの反応は——。(取材・構成 大矢博子、初出:文藝春秋2022年10月号)
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読者も福山さんをイメージしないわけがない
東野 ちょっと生意気かもしれませんが、さっきも言いましたように、僕は福山さんをイメージしながら小説を書いてるわけです。一方で福山さんも、年齢を重ねられて変わっていく。今の福山さんが演じる湯川はこんな感じだろうと書けば、自然な形で湯川も変わっていく。無理やりキャラクターを変化させたり、奇抜なことをさせたりする必要はないんじゃないかな。自惚れた言い方かもしれませんけど。
福山 いえいえ、実際、演じる方も本当にやりやすいです。ありがとうございます。ただ……、連続ドラマ第1シーズンと「容疑者X」の頃の髪型が、ちょっと毛先を遊ばせすぎてるんですよね。そこはちょっと……反省しています(笑)。その時代ではよしとされていたことなので、今振り返ってもしょうがないんですけど。
東野 若かったんだからいいじゃないですか(笑)。
福山 すみません……(笑)。
東野 私のように、本を読む時に映像を思い浮かべる人って多いと思うんです。こうして映画やドラマとして映像化された後では、小説の読者も福山さんをイメージしないわけがない。ほとんどの人が、湯川のシーンでは福山さんの顔を思い浮かべ、草薙刑事のところでは北村一輝さんの顔を思い浮かべ、内海刑事では柴咲コウさんの顔を思い浮かべて読むと思うんですよね。それを、「そうやって読まないでくれ」なんてバカなことを言ったってしょうがない。だったら上手に利用して読みやすいように書きますもんね。「ちょっと福山さんのイメージじゃないな」ということは書かないですよ。福山さんに「俺のことをどれだけ知ってるんだ」と言われそうですけど。
