一筋の光
当時の僕は、事故や火傷の後遺症などが原因で障害者手帳の交付を受けていました。ここに、当時、僕が受けていた障害等級を記しておきます。
・身体障害(総1級)
右手4指、母指、示指、中指、環指機能の著しい障害(4級)/左手全指機能全廃(3級)/右下肢機能全廃(3級)
・精神障害(総1級)
薬物使用後遺症による幻覚、幻聴。自殺未遂でのガソリンを被る行為等による(1級)
菊池さんは僕の説明をひと通り聞くと、まっすぐこちらを見ながら「これからは私が面倒を見ます」と言ってくれました。
出所した受刑者が苦しむのが、生活の立て直しです。
生活をしていくには、住む場所、働く場所が必要です。
しかし、刑務所に入っていた人間が部屋を借りるのは簡単ではありません。また何かやらかすのではないか、家賃をきちんと払わないのではないか、そう思われて敬遠されてしまうからです。
住所がなければ、仕事も探せません。そうなると、待っているのは刑務所です。更生したいという気持ちがあっても、社会がそれを許さないという一面もあるのです。
このときの僕もまさに同じ状況でした。
刑務所を出たものの、住む場所はまだ決まっておらず、これからどうしようか不安に駆られていました。
しかし、菊池さんはその不安を見事に取り去ってくれました。
僕に住む場所がないとわかると、すぐに住居を手配し、引っ越しまで手伝ってくれました。くわえて生活に必要なものをひとつひとつ揃えてくれ、新しい生活がスタートできるようにサポートしてくれたのです。
刑務所を出たばかりで不安しかなかった僕にとって、その手厚い支援は暗闇の中に差し込んだ一筋の光のようでした。
