「そんな汚い物を見せるな!」――楽しいはずの食事会で、極道の総長が我が子のようにかわいがる子分に突如激怒した。怒声の裏にあったのは、「カタギさんに迷惑をかけるな」という徹底した人間教育だった。
NPO法人代表として「生き直し」の道を歩む佐藤智明氏の新刊『先生は、元極道 元極道講師が子どもたちのために歩む 人生「生き直し」物語』(彩図社)より一部抜粋してお届けする。(全3回の1回目)
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16歳で極道の世界に入ってからというもの、総長と姐さんには本当にお世話になりました。
先ほど、僕にとって本家の部屋住みは初めて家族を感じたものだったと書きましたが、総長と姐さんは、ある意味、僕にとって育ての親でした。総長は僕にとって、厳しくも温かい父親のような存在でした。
総長がキレた日
本家では、総長、姐さん、僕、そして別の若い衆の4人でよく食事をしました。たいていは家で食べるのですが、時々、4人で外食をすることもありました。そんなある日のことです。
「そんな汚い物を見せるな!」
食事の席で、総長が突然僕を叱りました。
