「みんなで飲みに行くなんて楽しそうに思えるかもしれませんが、僕は正直、いつも楽しめませんでした」――。NPO法人代表として「生き直し」の道を歩む佐藤智明氏の新刊『先生は、元極道』(彩図社)より、素手でのトイレ掃除や常に気を張り「酒を殺して飲む」飲み会など、息つくヒマもない「部屋住み」修業のリアルな実態を抜粋して届ける。(全2回の1回目)

写真はイメージ ©getty

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部屋住みの暮らし

 初めて事務所に足を踏み入れた翌日から、僕の部屋住みとしての生活が始まりました。

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 極道の部屋住みは、「常に清潔に」というのがすべての基本です。

 部屋住みの一日は、早朝の掃除から始まります。床や窓ガラスの拭き掃除をして、事務所やトイレなどを清潔にしていきます。

 この掃除が非常に細かいのです。

 たとえば、電話機は受話器から本体の裏側まで、常にピカピカにしておかねばなりません。中でもトイレは清潔であることが一番要求される場所で、ゴム手袋はせず、素手を便器に突っ込み、タワシや雑巾を交互に使い分けて掃除するのが当たり前でした。

 もうひとつ、部屋住みの重要な仕事に、雑用や食事の用意があります。

 親分や先輩組員たちの身の回りのお世話をするわけですが、これにも厳しい決まりがありました。