2018年のプロ野球、パ・リーグの覇者は埼玉西武ライオンズ。10月17日からは、ライオンズの本拠地・メットライフドームでクライマックスシリーズのファイナルステージが行われる。それを順当に勝ち抜けば、10月27日からはついに日本シリーズ。多摩湖畔に佇む狭山丘陵の野球場は、今年最大の賑わいを見せることになりそうだ。
試合終了時刻が読めないなか、どのように臨時電車を走らせている?
と、そこで気になるのがメットライフドームへの“アクセス”。目の前に西武鉄道の西武球場前駅があり、電車でのアクセスもとっても便利な球場だ。そして試合前と試合後には池袋方面への直通列車をはじめ多くの臨時電車が運転されている。ドームが満員に膨れ上がっても、ほとんど待つことなく快適に都心まで帰ることができるのだ。だが、よく考えてみれば試合終了時刻は毎日異なる。一体どのように臨時電車を走らせているのだろうか。
というわけで、今回は西武鉄道のダイヤ制作を担当している計画管理部運行計画課の石田大志さんに話を聞いた。
――ライオンズのリーグ優勝、おめでとうございます。やはり西武鉄道さんの社内も盛り上がっているんですか?
石田 そうですね、9月後半はみんなちょっとそわそわしていました(笑)。ライオンズはグループのシンボルでもありますし、鉄道とも相乗効果があるんです。それに沿線の町もライオンズが勝てば賑やかになりますし、やっぱり嬉しいですね。
私は生まれも育ちも西武沿線なんですよ。世代的にはちょうど森祇晶監督でライオンズが強かった頃に子供だったから。西武沿線の子供は無条件にライオンズファンになる、みたいな頃ですね。
3種類の“野球ダイヤ”がある
――なるほど。やっぱり皆さん喜んでいるんですね。では、早速本題に入ります。そもそも、野球開催時の臨時電車は事前に準備されているのでしょうか?
石田 もちろんです。西武鉄道では野球の開催がない平日・土休日の通常のダイヤに加えて、平日ナイター・土休日ナイター・土休日デーゲームという3種類の“野球ダイヤ”を前もって作成しています。通常のダイヤをボリュームアップさせたイメージですかね。基本的にはその野球ダイヤに基づいて、臨時の電車を走らせます。年間で60試合以上もドームで開催があるわけですから、当日ではなくすべて事前に用意しているんです。
――最大でどれくらいの臨時電車が走るんですか?
石田 いろいろな制約があるんです。そもそも西所沢駅~西武球場前駅の狭山線は単線なので、最大でも1時間に16本しか電車が運転できません。その上、西所沢駅では池袋・飯能方面それぞれからくる池袋線の電車との平面交差もあります。針の穴に糸を通すように、事前にダイヤを組んでいます。