「クリスマスまでに彼女を作りに来ました」

 一方、真っ直ぐな下心で渋谷に足を運んだ男性もいた。渋谷ハロウィーンは人生で3、4回目だという。

写真の男性は真っ直ぐな下心で渋谷に足を運んでいた男性と同グループの青年。新潟在住なのだとか ©文藝春秋

「彼女いないんで、クリスマスまでに彼女を作るために来ました。去年と一昨年は彼女がいたから大丈夫だったんですけど、今年はいないんで焦ってます」

 ここまでの手応えを聞くと、「さっき外国人の女の子といい雰囲気になったんですけど、最後は笑って逃げられて。カウパーだけ出て、ちょっと……」とあけすけに語る。

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「僕、若いんで。最近仕事ばっかりで遊びに行けてなかったんですよ。だから今日は酒飲んで、ぶっ飛ぼうかなと思って。でも、この辺は酒売ってないんですね」と嘆く彼に、渋谷駅周辺は夜間の路上飲酒が通年で禁止され、この夜は周辺の店舗も酒の販売を自粛しており、区が年々規制を強めていることを伝えると、「関係ない」と言い切り、区長に対して「来て、ごめんね」とメッセージを残した。

「ナンパ? ないです、ないです」

 交番の前でひときわ目立っていた女性にも話を聞いた。先ほど話を聞いた男性のような人にナンパをされることはないのか尋ねると、ないという。もし声をかけられたら?

©文藝春秋

「ないです、ないです」

 即答だった。

2026年の渋谷ハロウィーンは…

 主催者のいない祭りとして始まった渋谷のハロウィーンは、いまや参加者の行き場を分けつつある。本気で仮装を楽しみたい人は、主催者とルールのある池袋へ。渋谷の路上に残ったのは、撮り合いの日々を懐かしむ常連と、カメラを向ける観光客、そして出会いを探す男たち……。

©文藝春秋

 区は「来るな」とは言わなくなった。ただし、立ち止まることも、路上で飲むことも、ハチ公と写真を撮ることもできない。歓迎はするが、居場所は用意しない。それが、いまの渋谷なりの“おもてなし”なのかもしれない

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