ドラマ『VIVANT』(TBS系)のシーズン2が話題だ。堺雅人演じる主人公らが、自衛隊の秘密組織「別班」の一員として世界を舞台に活躍するスパイアクション。今回は中国系の情報組織に拉致された仲間の奪還作戦などが描かれ、高視聴率を記録している。
放送のたびにSNSでは「考察」が盛り上がる。誰が裏切るのか、誰が黒幕なのか。そんな予想が飛び交う。新聞でもこのドラマを取り上げる記事が増えてきた。気になったものを紹介しよう。
シーズン2はイデオロギー色が強まったと指摘
まず10月25日の毎日新聞。
「『別班』の実態追い続ける記者 『VIVANT』を見て抱いた疑問」
登場するのは、2013年に自衛隊の秘密情報部隊「別班」の存在をスクープした共同通信記者の石井暁氏。シーズン1は冒険活劇として楽しめたが、シーズン2は愛国心や中国系情報機関の登場など、イデオロギー色が強まったと指摘する。
「現実世界で日本と微妙な関係にある国を、なぜ劇中であえて敵と設定するのか」
さらに、現実の別班には文民統制の問題があるのに、ドラマではヒーローとして描かれていることにも疑問を呈している。
すると今度は、10月27日の朝日新聞にこんな記事が出た。
「ドラマ『VIVANT』の演出、中国メディアが批判『敵意を扇動』」
中国国営の中央テレビ(CCTV)が『VIVANT』を批判したというのだ。シーズン2には、中国系の情報組織が別班員の指を切り落とすなど、残虐な拷問を加える場面がある。CCTVは、かつて日本軍が中国の抗日活動家に行った拷問と似ていると指摘し、中国人を残虐な存在として描くことが敵意を煽っていると批判した。中国のSNSでも話題となり、一時、検索ワードのトップになったという。
さて、この記事に対して「お前が言うな」と思う人もいるのではないか。
というのも、中国には日本軍を悪役にした「抗日ドラマ」が数多くあるからだ。筆者もかつて日本の情報番組などで、中国の抗日ドラマが紹介されているのを見たことがある。そこに登場する日本兵は残酷な拷問をする一方で、とんでもなく間抜けだったりする。中国人の主人公が超人的な強さで日本軍をやっつけることもある。荒唐無稽な展開に呆れたこともあった。
