ただ、高市首相が国益のため、あるいはG7会議欠席という汚名返上のため、外交に一心不乱に打ち込めるかと言えば、そうとは言えない国内事情もある。
その代表例が、衆議院の議員定数削減問題だ。
10月29日、自民党、日本維新の会、国民民主党の与野党3党が、従来から維新が主張してきた比例代表「50議席削減」ではなく、「31議席削減」することで合意したが、「あれは麻生さんによる維新斬りの第一歩」(旧安倍派衆議院議員)との見方が強い。
この議員曰く、維新より国民民主党と組みたい麻生氏が、「50議席も削減すると、比例代表で選出された議員が多い国民民主党は7議席も減らすことになるが、31議席削減なら2議席程度のマイナスで済むから納得しやすい」と判断したというものだ。
恩人を捨て、麻生氏に従うしかない
筆者の取材でも、もともと、「50議席削減」を「身を切る改革」の象徴として訴えてきた維新は、玉木雄一郎代表らが飲めない案を示すことで、国民民主党の連立政権入りを阻止できると考えてきたフシがある。
しかし、自民党からすれば、今年2月の衆議院選挙において、自民党単独で316議席と圧勝したこと、そして逆に、参議院では維新と連立し続けても与党で過半数に届いていない現状を考えれば、もはや維新と連立する旨味などなく、麻生氏でなくとも、「今こそ維新を遠ざけ、気心が知れた玉木氏らと……」と考えるのも無理はない。
高市首相にとって、吉村洋文代表率いる維新は、2025年10月21日に実施された衆参両院での首相指名選挙で自分を首相に押し上げてくれた「恩人」ではある。
とはいえ、来年9月の自民党総裁選挙での再選を狙う以上、まだまだ麻生氏の動きに同調しておかないと、「世界の真ん中で咲き誇る」どころか「自民党本部の真ん中で生き残る」こともできないという点が最大の弱点なのだ。
日本国民の負担はますます増えるばかり
話をトランプ氏に戻せば、日本は、さっそく中間選挙後のトランプ氏や国際社会の動きに備えなければならない。