病院で起きた重大な医療事故をめぐって、患者側への情報開示の問題が長年の課題となっている。患者やその家族はなぜ「説明されていない」と感じるのか。医療事故を経験した患者家族の訴えと、医療情報を積極的に患者と共有する先進的な取り組みなどから、医療の安全と信頼のあり方を見つめた。

アキレス腱手術後に死亡

群馬県前橋市の赤坂裕さん(42)は、車の部品の金型を設計する技術者として働き、子供3人と妻の5人で暮らしていた。子煩悩で、ひょうきんな父親だった。

しかし、去年7月、趣味のバレーボールをしている際にアキレス腱を断裂。手術を受けたが、翌日に死亡した。

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なぜ、ケガの治療で命を落とすことになったのか。

裕さんの妻に話を聞いた。

 

赤坂さんの妻:
病院から電話かかってきて「すぐ来てください」みたいな感じだったので。ベッドに横たわる主人がいて、夫はただその心肺蘇生で体が揺れているだけっていう姿を見て…。

 

裕さんは体重が117キロあり、血栓ができるリスクが高いため、最初の手術の前には血液検査をしていた。その後、再び手術することになったが、その際、血液検査は行われなかった。

翌日、裕さんは、「血栓」が肺の動脈に詰まり、死亡した。

 

医師(遺族が記録した音声を元に再現):
毎回(検査を)やるかどうかはケースバイケースになったとは思いますけれども、そこで採血がとれなかったのが…ちょっとすみません。自分の中で、えっと、あの…まあ、足りなかったところじゃないかと思います。

死亡直後の説明では「足りなかった」という言葉を使った医師。

病院側の別の男性(遺族が記録した音声を元に再現):
できるだけ、我々も皆さんにわかりやすい言葉で、いろんな内容を隠さずお伝えできるようにしたいと思います。

ところが、死亡から2~3カ月たった頃から、病院側の対応の変化を感じたという。

 

赤坂さんの妻:
「逐一報告します」みたいなことを言っていたんですけど、全然報告がない。