昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2018/10/19

genre : ニュース, 政治

取り調べで知った検察の「露骨な横柄さ」

――都知事選に関しては、その後、2016年に公職選挙法違反の容疑で逮捕されることになります。今年3月には二審も有罪、控訴棄却の判決が出たばかりですが、この事件についてはどう思われていますか。

田母神 ツイッターで発言している通り、不当逮捕ですよ。「都知事選の選挙運動で、運動員に金を配れと指示しただろう。あるいは配っていることを承認しただろう」と言うわけです。公職選挙法違反の「買収」にあたると言うんだ。そんなこと、私全く知らないですよ。それでも検察は「認めれば在宅起訴で終わりだ。認めろ」と言うわけ。当然「やってないことを認めるわけにはいかない」と抗いました。そしたら検察は「逮捕されますよ」と。それで、しょうがないわね、逮捕状が執行されて逮捕。それで拘置所に入りましたが、認めようがないんだからそのまま出られず半年間。それで裁判になって、「負けますよ」「意味ないですよ」と散々検察からは言われ続けているけれども、今に至っているわけです。

次世代の党から衆院選にも出た ©AFLO

――検察官からはずいぶんきついことも言われたと、著書にも書いていますね。

田母神 拘置所に入ってからの取り調べは100%録画されているから、まあ普通なんですけど、拘置所に入るまでがね、きつい。録画されないから、検察も横柄な態度できるんです。まあ、露骨でしたね。

――どういうふうに違うものですか。

田母神 「嘘をつくな!」って机を叩いたりする。ドラマの世界ですよ。

安倍さんと「日本会議」のこと

――第1次安倍政権が誕生したときに、田母神さんは期待感を持ったというお話を先ほど聞きました。第2次安倍政権は2012年末からですが、安倍さんとは直接お話しする機会はありましたか。

田母神 それは何度もお会いしていますよ。安倍さんには「日本を取り戻したい」という強い意志があって、なんとかそれを実行に移したい。ただ、取り巻きや政治情勢がそれを許さないんでしょう。色々やりたいけどできない、という状況なんじゃないかなと感じていますけど。

――安倍さんから田母神さんに質問されることとか、意見を聞かれたことはありますか?

田母神 それはちょっと、ノーコメントですね。ノーコメント。

 

――それに付随して、安倍さんといえば背景に保守団体「日本会議」が存在することが取りざたされます。田母神さんは最近の保守運動をどのようにご覧になっているんでしょうか。

田母神 保守運動が現政権を支える運動になっていると思います。政権はリアリズムの中で動くしかありませんが、保守運動は政権が言いたくても言えないようなことも含めもっと強く日本を取り戻すことを主張してもいいように思います。日本会議ももっと発信力を強めてもらいたいと思っています。例の森友学園がありましたね。本当は何があったのかウヤムヤな状況になってしまいましたが、安倍さん自身は森友学園のことを支持していたことは間違いないと思いますよ。「日本を取り戻す」ために道徳教育をする、教育勅語を教える。森友学園の方向性は、安倍さんの目指す方向と一致しているじゃないですか。法に触れているものでもあるまいし、安倍さんはきちんと「支持して何が悪いんだ」と言ったほうがよかったと思いますよ。しかし安倍さんが政権を維持する上でそれを言うことがまずいという事であれば、代わりに日本会議のような団体が代弁すべきだと思います。森友学園を潰せば20年、30年あのような日本を取り戻す教育をしようとする動きが民間から立ち上がることはできないでしょう。それでは日本を取り戻すことに逆行していることになります。

――田母神さんも教育勅語の徳目は全部素晴らしいとお考えですか?

田母神 もう、素晴らしいですよ。

「男女共同参画」は日本ぶち壊しだと思っています

――徳目の中に「夫婦相和シ」という文言があります。ちょっと失礼な質問かもしれませんが、報道では田母神さん、離婚騒動を起こされていますよね。

田母神 そうですね。「夫婦相和シ」っていうのは、できるだけ相和し、我慢することを言っていると思うんですが、僕はちょっと我慢できなかった。それだけの話なんです。

 

――今も協議中なんですか。

田母神 そうだね。詳しくは話しませんが、とにかく日本の民法というのはかなり無理があるなと思いますね。実情に即していないというか。

――家族観など、さまざまな価値観が見直されている昨今です。

田母神 それについていえば、私は現在の男女共同参画をめぐる論議に懐疑的です。男と女の伝統的な役割分担を全部壊せというのですからついていけません。日本の女性が諸外国と比較して低い地位に置かれているとは私には到底思えないのです。私は美しい言葉「男女共同参画」は日本ぶち壊しだと思っています。

 また現在我が国は、男も女もみんな働け、子育ても介護も国がやるという方向に進んでいるのではないでしょうか。子供は施設で育つよりは親のそばで育つ方が幸せだと思うし、お年寄りも他人の世話になるよりは自分の子供などに面倒見てもらう方が幸せでしょう。私は家には奥さんがいて子供や年寄りの世話をしてあげられることが良いのではないかと思っています。ですからご主人が働けば、奥さんが主婦のままであっても生活がなりたつ国を目指すべきではないのかと思います。

 もちろん、自分で子育てや介護ができない人はたくさんいるでしょう。そういう人たちには国が手当てをするというのはよく分かります。しかし、基本的には子育ても介護も家でやりなさいと私は思うんです。待機児童ゼロとか、介護待機ゼロとか、国が全部面倒を見る方向に進むべきなのか、私はそこがよくわからない。いや、おかしいんじゃないかと思っていますよ。家で伝えるべき日本のしきたり、伝統というものも伝わっていかなくなるでしょう、このままだと。国は男女共同参画に10兆円に近い規模の予算をつけているようですが、本当にそれで国民は幸せになるのかなと。我が国の防衛予算は約5兆円。男女共同参画には防衛費の2倍の予算ですよ。

――たしかに、「関連予算」としては今年度も約8兆円が計上されていますが……。

田母神 それに比べて日本の保守運動は税金から予算を取るようなことができない。兵糧米がないと戦えないですよ。