今年4月、乳がんを公表した元SKE48の矢方美紀さん(26)。イベントで「好きな人もいます。片思いです」と発言したことが話題を呼びました。抗がん剤治療による副作用は、身体と心にどのような変化をもたらしたのでしょうか。気になる恋愛についても、聞きました。

矢方美紀さん

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「この間、温泉にも行きました」

──婦人科系のがんは、デリケートな問題も多く抱えていますよね。

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矢方 恋愛や結婚はできないんじゃないかという不安は私もありました。でも、考えても仕方ないので、最近はマイナス面ではなく、ちょっと目線をあげて明るくなれるようなことを探すようにしています。

──悩みや愚痴などは、誰かに相談していますか?

矢方 私はどちらかというと、相談することで「こんなこと言ったら相手を悩ませてしまうんじゃないか」と自分がストレスに感じてしまうので、親にも相談したりはあまりしなかったんですけど、乳がんになってから、同じがんの女性同士のコミュニティサイトやアプリがあると知り、時々利用するようになりました。

 

──同じがん経験者で女性同士というのは、安心感がありますね。

矢方 共感してもらえるというのが結構大きくて。たとえば、抗がん剤の点滴って、アセロラジュースみたいな色で、トイレに行くとそのままの色が出るんですよ。最初はすごくビックリしました。そんなことをつい連想してしまうので、私はもう一生アセロラジュースやローズヒップティーは飲めないと思うんですけど、そういう話をすると「ああ、私も」「あれ嫌だったよね」みたいに共感してくれる人や、「私はこういう風に解決しました」みたいな知恵をアップしてくれる人がいて、みなさんで支え合っているというか、やさしく寄り添ってくれるというか、そういうのがすごくありがたいです。

──逆に、つらいと感じるのはどんな時ですか。

矢方 「まだ若いのに」「女性なのに」みたいに言われることも多いんですが、そこだけ強調されると、「違うのにな」って思います。私は病気を自分の身体の中からなくすために手術を選び、自分の人生をもっと先まで楽しみたいと思っただけなんです。この間、祖母と叔母と一緒に温泉にも行きました。洋服を着ていると「かわいそう」って言われるのに、洋服を脱いで温泉に入った時は、意外と誰にも気づかれなくて、何も言われませんでした。