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「プナダ」本来の意味は?

「プナダ」と「悔しい」は、かなりニュアンスが異なる。一般的に「悔しい」が残念な気持ちや自分自身を不甲斐なく感じる気持ちを表すのに対し、「プナダ」は何か被害に遭ったときに特定の相手や状況に対して憤る感情を表す。自分は悪いことをしていないのに、誰かのせいで嫌な目にあったときに使う言葉だが、それを宮脇咲良のコメントに当てはめると、「日本人を負かした韓国人や韓国の番組に腹が立つ」に近いニュアンスとなるわけだ。

番組開始当初の宮脇咲良のパフォーマンス

 そんな“誤訳”が宮脇咲良のイメージダウンを招いたことは言うまでもないだろう。宮脇咲良のファンだという30代の韓国人男性も語る。

「私は咲良と話したくて日本語を勉強しているので、翻訳がおかしいことにすぐ気づきました。咲良は番組の放送開始当初からビジュアルの良さで人気を集めていましたが、“プナダ”というコメントが報じられると、一部では批判的な声も挙がるようになりました。結果的に日本人トップの2位で最終メンバー入りしたからよかったものの、当時は咲良のことが心配にもなりました」

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なぜ日本人メンバーが韓国で認められたのか

 まさに日韓合同プロジェクトならではのトラブルや障害に見舞われた日本人メンバーたち。ただ、それでも『PRODUCE48』は10代のアイドルファンを中心に反響を呼び、最終回まで9週連続で同時間帯の視聴率1位を記録。日本人メンバーも視聴者の支持を集め3人が最終合格者となったのだから、宮脇咲良、矢吹奈子、本田仁美の健闘は評価すべきだろう。

それにしてもなぜ、彼女たちは韓国ファンから認められオーディションを勝ち抜くことができたのはなぜか。その一因には、彼女たちが『PRODUCE48』にかける本気度を示したことがあると、前出のキム・ソンジン記者が強調する。

左からキム・ミンジュ、宮脇咲良、チェ・イェナ ©時事通信社

「彼女たちの姿からは、韓国活動にかける強い思いが伝わってきました。宮脇咲良などは、このオーディションのために泣きながら徹夜で練習したというエピソードも後に明かしていますが、韓国人候補者たちに実力で後れを取ったなか、一生懸命に努力する姿が感動を呼んだのは間違いないでしょう。日本のアイドルは韓国アイドルよりもレベルが低いといわれてきましたが、日本のアイドルも徹底的にレッスンを受けたことがないだけで“やればできる”ということを見せたんです。合格者3人がIZ*ONEの活動のためにAKB48グループの活動を休止したことからも、彼女たちの本気度が伝わってきて好感を抱いたファンは多い」

 日本人メンバーたちの奮闘もあり、いまや絶大な人気を集めているIZ*ONE。それだけに注目したいのは今後のことだが、韓国での活動には障壁も多いようだ。