どこかの店や会社の場所をホームページで調べると、アクセス欄にはたいていこう書いてある。「〇〇駅から徒歩△分」。だからそれにあわせて駅に到着するように予定を立てるし、多くの場合はそれで問題ない。ところが、厄介なのが地下鉄の駅なのだ。電車が時間どおりに着いてもホームから改札まで、さらに地上にたどり着くまで思いのほか時間がかかってしまうなんてことがざらにある。いくつもの地下鉄路線が輻輳している東京では、似たような経験をしたことがある人も多いことだろう。
最初の踊り場までは「88段」
というわけで、やってきたのは都営地下鉄大江戸線の六本木駅である。大江戸線六本木駅の1番線ホーム(大門・両国方面)は地下42.3m、日本の地下鉄駅では最も深い駅なのだ。とうぜん、地上に出るまではずいぶん時間がかかるということでもある。いったいホームから地上に出るまで、どれだけ時間がかかるのか。今回は歩いて登ってみたい。何段の階段を登ればいいのだろうか……。
スタート地点は1番線ホーム。そこから六本木交差点方面の出入り口に向かう階段。そこには「地下40m」のステッカーが貼られており、日本一の深さがちゃっかりアピールされている。ほぼすべての人はエスカレーターでのんびり登っていくが、こちらは階段をえっちらおっちら。まず最初の踊り場までは88段だ。ここで1番線ホームよりひとつ上層にある2番線からの階段と合流する。2番線ホームは地下32.8m。なかなか気が付きにくいが、実は約10mも高低差があって、階層で言えば1番線が地下7階、2番線が地下5階、合流する踊り場が地下4階である。
だが改札口まではまだまだ。ここから長い階段をさらに登っていって地下2階の踊り場を経てまた階段。ホームから166段目でようやく改札口のある地下1階フロアに到着する。六本木駅は東京メトロ日比谷線も乗り入れているが、日比谷線とはこの改札を出て右に進んでいけば乗り換えできる。とは言え日比谷線のホームは地下2階だから大江戸線と比べればずいぶん浅い駅なのである。