さらに東急バスは南武線沿線にも……
港北ニュータウン方面の「ミッドナイト・アロー」は25時15分発仲町台行きがあり、センター北駅まで約40分、仲町台駅まで約50分で結ぶ。この路線に入る車両は所属営業所の関係から朝は通勤高速バス「E-Liner」に使われる車両が主に用いられる。
そして東横線沿線をカバーする新横浜駅・新羽営業所行きは空港リムジンバスの車両が使われることも多い。この路線は田園都市線方面とは異なり、23区内は都立大学と等々力7丁目だけにしか停車せず、東横線では1駅しかカバーしない。しかし、川崎市内に入ると、近年人口が増えている南武線沿線の武蔵新城、武蔵中原、武蔵小杉をカバーし、約40分で結ぶ。武蔵小杉から大倉山までの人口が多いエリアは綱島街道を利用し、新横浜駅へは約1時間10分かけて到着する。そして新羽営業所に入庫する。
こうしたそれぞれに特徴のある5系統の「ミッドナイト・アロー」。思わぬ落とし穴がある。それは現金しか使えないことだ。飲み会で思わぬお金を使ってしまうと乗れない、なんてトホホな可能性もある。2000円あれば概ね乗ることは可能なので、それだけは別のポケットに入れておこう。
京王バスは三鷹や府中へ向かう
さて、渋谷駅を発車する深夜急行バスは東急バスだけではない。京王バスも深夜急行バスを京王線沿線に運行する。
京王バスの運行する深夜バスは2系統。まずは25時発の府中行きだ。これは芦花公園から府中までのほぼ各駅を京王線に沿って走り、少し駅から離れた多摩川住宅も経由していきながら府中駅までを結ぶ。一般道を走り丁寧に各駅をカバーするため、千歳烏山まで約30分、調布まで約50分、府中まで約1時間10分かけて走る。
もう1つは井の頭線方面の吉祥寺駅北口行き。25時15分の発車で、明大前から浜田山まで井の頭通り沿いで駅に近いところにあるバス停に停車し、人見街道経由で三鷹台団地や下連雀に停車する。なんと一見京王沿線に見えない三鷹市内をカバーしているのだ。これには理由があり、久我山から三鷹駅の間には京王バスのドル箱路線が走っており、その沿線の住民の深夜帰宅輸送も支えているのだ。久我山までは約35分、吉祥寺までは1時間弱で結んでいる。
ちなみに京王バスの深夜急行は交通系ICカードが使える。十分なチャージがあれば小銭いらずだ。
夜も活気のある渋谷駅からの帰宅の輸送を支えるたくさんの深夜バス。是非活用して楽しい忘年会シーズンを送ってほしい。