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「万博の成功にはIRが大きい。一日も早くIRが来てほしい」

松井一郎 大阪府知事
「万博を開催している間に隣で大きな工事をやるというのは、いかがなものか」

朝日新聞デジタル 11月29日

 そもそもこれまで大阪は、万博とカジノを含む統合型リゾート(IR)施設の誘致をセットで進めてきた。大阪万博の会場となる大阪湾の広大な埋立地・夢洲(ゆめしま)はこれまで「負の遺産」と呼ばれてきた。その開発には万博とIRの両方が必要。松井知事もインタビューで大阪の発展を加速させるため、「万博とIR誘致をインパクトに」と語っている(事業構想 2017年12月号)。

 大阪はIRの2024年開業を目指している。11月28日の定例会見で松井知事が「万博を開催している間に隣で大きな工事をやるというのは、いかがなものか」と述べたのは、万博が開催するまでにカジノはオープンするという意味だ。カジノは夢洲の北側エリア、万博予定地は南側エリアで両者は隣接している。カジノのオープンを急ぐ松井氏は「早く区域認定をもらわないと事業者と具体的な話ができない」と国に働きかけており、「来年夏には事業者を決めたい」と語っている(産経新聞 8月8日)。

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大阪の夢洲 ©Getty Images

 また、大阪市の吉村洋文市長は地下鉄延伸のための200億円の負担をIR事業者に求める方針を定めた。大阪府の幹部は「万博の成功にはIRが大きい。一日も早くIRが来てほしい」と話しているという(朝日新聞デジタル 11月29日)。

 しかし、カジノに関して、府民には反対の声が圧倒的に多い。2017年3月に朝日新聞社と朝日放送(ABC)が実施した府民への世論調査によると、IR誘致への反対が6割に上る。理由は「治安が悪化しそう」が最多の62%だった(WEBRONZA 11月29日)。

エド・バワーズ 日本MGMリゾーツCEO
「北側のIRと南側の万博をどのように融合させて夢洲全体を活用するか、大阪府・大阪市と話し合っていきたい」
TBS NEWS 11月21日

 日本MGMリゾーツもIR事業者の一つ。彼らにはカジノと万博で賑わう大阪・夢洲の様子がはっきりと見えているようだ。大量の「必要経費」が投入されて、自分たちが儲かるのだから、そりゃうれしいだろう。

 大阪府、大阪市、IR事業者、安倍首相、そしてトランプ氏の思惑が渦巻く大阪万博。本当にこれで日本は元気になるのだろうか? 安倍首相の言うように被災地も元気になるのだろうか? はなはだ疑問だ。