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2018/12/01

IR関係者から祝福の声

ジョージ・タナシェビッチ 米ラスベガス・サンズ グローバル開発担当統括役員
「万博は大阪が掲げる
IR計画と密接な関係がある。万博はIRを世界に紹介する発信地になる」
朝日新聞デジタル 11月27日

 大阪万博はカジノとセットだ。大阪万博決定を受け、カジノを含む統合型リゾート(IR)施設を展開する各社が相次いで祝福のメッセージを発表した。

 大阪万博の誘致委員会でオフィシャルパートナーだった米ラスベガス・サンズは、カジノリゾートの大手の一つ。会長兼CEOのシェルトン・アデルソン氏はトランプ米大統領の大口献金者として知られている。2016年の米大統領選では2000万ドルを寄付していた。

 今年10月、米調査報道専門ニュースサイト「プロパブリカ」は、昨年2月に安倍首相が訪米した際、トランプ氏が安倍首相に対してラスベガス・サンズの日本参入を働きかけていたと報じた。アデルソン氏はほかのカジノ業者とともに安倍首相とカジノに関して意見交換を行ったとも報じられている(朝日新聞デジタル 10月11日)。

トランプ大統領がラスベガス・サンズの日本参入を安倍首相に働きかけたと報じた記事 (「プロパブリカ」HPより)

 また、アデルソン氏は昨年9月に大阪府を訪問して松井一郎知事、吉村洋文市長と非公開で会談。会談後、アデルソン氏はカジノ施設の面積の規制案を批判した(Forbes JAPAN 2017年9月18日)。今年3月に事業者への配慮を求める自民党の主張を公明党が受け入れ、面積の上限を撤廃する規制緩和が行われた(日本経済新聞 3月30日)。

 安倍首相は今年7月の国会で「トランプ大統領との間において、米国の企業からの要望等に関する会話をしたことは一切ございません」と述べ、トランプ氏からの口利きを否定したが、カジノが話題に上ったこと自体は否定していない(BuzzFeed NEWS 10月11日)。

石井啓一 国交相
「大阪が誘致する万博は
IRと関係するものではない」
日刊ゲンダイDIGITAL 7月20日

 カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案を所管する石井啓一国交相はこんなことを言っていた。大嘘である。ラスベガス・サンズのタナシェビッチ氏も「密接な関係がある」と言っている。

 これは今年7月17日に行われた参院内閣委員会で、共産党の辰巳孝太郎議員に「『いのち輝く未来社会のデザイン』をテーマにする万博とカジノは相いれないのではないか」と指摘されたときの答弁。石井氏は今年7月には大きな被害を及ぼした西日本豪雨への対応よりカジノ法案の審議を優先し、野党ならびに日本中から非難を浴びていた。