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辛島が語った同級生・則本への思い

雪の中のマウンドで好投をみせた辛島選手 ©RakutenEagles

 お次は今季初勝利をマークした辛島選手に雪が降る中ナイスピッチングでしたと言うと、「たまたまです。グラウンドも天気も悪い中だったので、(バットを)振れないだろうと決め付けて、取り敢えずストライクゾーンに投げようと、ずっと思ってました」と話した。

 高卒で仙台に来て11年目になる辛島選手。過去にも一度だけ練習試合で雪の中の登板を経験した事がある。その経験が生かされたのか歴史に残る悪条件の中、バッターを翻弄し7回で8つもの三振を奪った!

河内「浅村選手のダメ押し2ランは大きかったですよね?」

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辛島選手「めちゃくちゃ大きかったです。あのホームランがなかったら1−1な訳だし、9回表に1点取られても、まだ2点リードがある状況と、1−1の同点でランナー返せないという状況では全然違うでしょうし、特に終盤だったので本当に大きかったです」

 ホーム開幕戦は味方の援護あっての勝利だったと冷静に振り返ってくれた。

ヒーローになった日の晩餐は鶏肉と納豆を食べた辛島選手 ©河内一朗

河内「現在、則本選手が戦線を離れている分、同級生の辛島選手がやってやろうという気持ちは人一倍強いと勝手に思っていますが……」

辛島選手「それは勝手に思っていてください(笑)。ノリは投げたい人だから、ピッチャー陣が上手く回らなかったりしたら、少しでも早く(1軍に)戻りたいと思うのがノリだし、ただ無理して焦ってリハビリをやらないような状況にするのが僕ら(ピッチャー陣)なので、しっかりやるだけです」

 辛島選手はクールで淡々と話をするイメージがあったのだが、話をすればするほど、人情味があって、誰の前であろうが着飾らず、筋の通った真っ直ぐな野球人なのだと気付かされる。

 辛島選手、浅村選手はともに高卒からプロの世界に入って11年目の選手。プロ野球の世界の厳しさと、1つの勝利の喜びを知っている2人に、今季は何度もお立ち台に上がって欲しいと思う。

 そして則本選手が100%の万全な状態でカムバックして、90年生まれの選手たちが「令和時代」の楽天イーグルスをさらに常勝軍団に導いていってくれることを強く確信している。

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