“Camila esta mirando!!”
カミーラ・エスタ・ミランド‼︎
(訳:カミーラが見てるぞ‼︎)

 中日ドラゴンズの二軍公式戦が行われるナゴヤ球場で、近年こんなスペイン語のヤジを聞いた覚えがある人は多いのではないか。ベンチから出ているのか、客席から出ているのかわからない。だが、入団2年目のキューバ出身育成選手、アリエル・マルティネスが打席に立つと、どこからか聞こえてくる。時に彼を鼓舞する様に、時に彼をからかう様に。

キューバ出身育成選手、アリエル・マルティネス

 では、カミーラとは一体誰なのか?

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 本名、カミーラ・バリャダレス・クラビホ。キューバ出身のモデルであり、アリエルが母国に残してきた婚約者である。まずはインスタグラムで彼女の写真を見てほしい。アリエルも男前だが、社会主義のキューバでモデルを務めているのだから、その美貌はキューバ政府の折り紙付きだ。

アリエル・マルティネスの婚約者、カミーラ・バリャダレス・クラビホ

「美人妻」と言えば、かつて巨人に在籍したマイコラスや趙成珉の夫人達が有名だが、まだ婚約段階とは言えその美貌は「プロ野球史上最強」と表現して差し支えないだろう。スポーツ選手のパートナーに対しては、清純さや奥ゆかしさばかりにスポットが当てられがちだったが、カミーラはそういった概念から縁遠そうな点も興味深い。一体どんな人物なのか?

 今回、我々文春野球中日ドラゴンズ担当班は独自の取材ルート(インスタのDM)を駆使し、本邦初となるカミーラ本人への独占インタビューに成功した。アリエルとの出会い、遠距離恋愛、そして中日ドラゴンズへの想いを余すことなく語ってもらった。本人から頂戴した写真と併せてお楽しみ下さい。

ダブルヘッダーの合間に始まった恋

――カミーラ、はじめまして! 忙しい中、このたびは取材を快諾していただいてありがとうございます!

「喜んで! むしろ私が感謝しています。アリエルのことを本当に愛しているから、彼について話す時に忙しいかどうかなんて関係ない。何よりも優先すべきことなんです」

――まずはあなたのプロフィールを教えてください。

「1998年7月8日、キューバ生まれです。ずっと医学の勉強をしていたんですけど、観光の勉強をしたくなって、進路変更の申請をしていました。キューバは社会主義の国ですから、キャリアを決める時には政府へ自分の希望を提出しなければいけません。無事受理されて、現在は学業と並行してモデル活動も行なっています。私がインスタグラムに上げている写真のほとんどは、プロのフォトグラファーに撮影してもらいました」

有刺鉄線の間に乳房を挟み込むカミーラ、本人のInstagramより

――アリエルとはいつ、どこで出会ったのでしょうか?

「2017年10月5日に彼と出会いました。その日は当時住んでいた街で、ビリャ・クララ対マタンサスのキューバシリーズ(注:キューバにおける“日本シリーズ”)があって、友人と見に行っていたんです。その日はダブルヘッダーでした。第1試合が終わった後に、当時マタンサスに所属していたアリエルとすれ違って、その瞬間に互いに恋に落ちていました。

 一緒に写真を撮ってとお願いして、その後もその場でずっと話し続けました。第2試合が始まる直前、別れ際に彼が電話番号を聞いてきたので伝えたところ、その日の内にメールが来て……。それから1ヶ月ほどデートを重ねて、11月3日に正式に付き合うことになりました。だから、私にとっては今もその日が“最初の日”なんです」