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2019年の楽天・松井裕樹は何が違うのか 守護神に宿る「覚悟」と「責任」

文春野球コラム ペナントレース2019

2019/05/17
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クローザーとしての「覚悟」と一家の主としての「責任」

令和に入っての初セーブをマークした松井裕樹選手 ©RakutenEagles

 5月12日(令和元年・母の日)@ほっともっと神戸。

 オリックス相手に2敗していた3戦目、前日に続き8回裏にハーマン選手が失点を許し、さらに2死から小島選手にヒットを許した場面で、急遽松井選手がマウンドに。山足選手を三振に仕留め嫌な流れを断ち切り、9回はイニングを跨いで3者連続三振! 勝利をたぐり寄せ9セーブ目を手に入れた。

 試合後に直撃させてもらった。

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河内「ハーマン選手が打たれた分、やり返そうという思いだったと感じましたが……」

松井選手「そうですね。自分が打たれたときは、いつもハーマンに声を掛けてもらっていたし、チームが苦しい時にハーマンが中継ぎのメンバーで食事に行こうと言って皆を集めてくれました。みんなにハーマンの分まで頑張ってこいと言って送り出してもらったので抑えられて良かったです」

 投手陣の絆を感じるエピソードに胸が熱くなった。2軍調整となったハーマンだが、きっとまた1軍のマウンドで活躍してくれる事を信じている。

奥さまの手作りドレッシングはサイコーに美味しいと教えてくれた令和の松井選手 ©河内一朗

河内「今日は母の日。お母さんに良いプレゼントができましたね!?」

松井選手 「母から連絡もきていたので、毎年登板があれば頑張れる日になると思います。1年でも長くプロ野球選手として活躍して恩返ししていきます」

河内「今、お母さんにメッセージを送るなら?」

松井選手「自分の活躍を楽しみながら、長生きしてください、いつもありがとう!」

 高校(桐光学園)の時から親元を離れ寮生活した松井選手。今も関東での試合はもちろん、仙台にも応援に来られるお母さんへの感謝の気持ちを伝えてくれた。お母さま、ご存知の通り、息子さんは楽天イーグルスの守護神として羽ばたいています!

 そして昨年オフに入籍した松井選手に、奥さまの存在について聞くと、「間違いなく大きいです! 野球に集中させてもらっているので、シーズンは長いですが良いところを見せられるようにやっていきたいです」と話してくれた。

 一家の主としての守るべき「責任感」

 ゲームを締めるクローザーとしての「覚悟」

 この2つが今シーズンの松井選手を大きくプラスに動かしているに違いない。

 残りのゲーム、常勝軍団になるにあたって、絶対的に必要な松井裕樹選手。リーグ優勝、日本一の目標は当然ながら、来年の東京オリンピックで日の丸のユニフォームを着て活躍することも見据える背番号「1」に、これからもマウンド上で吠え続けてもらいたい。

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