盟友・松本啓二朗との再会
「この時のために帰ってきました」
試合後、須田投手は噛みしめるように言葉を紡ぎだします。
「10年前はプロということを頭の片隅に意識して臨んでいました。でも今は違う。ただこのチームで日本一を目指したい。みんなで予選を乗りきった歴代最強のチームです」
ほっとした表情を見せながらも、すでにその目は黒獅子旗を見据えていました。
取材を終えると「一緒に写真撮りますか?」と須田投手から声をかけてくれました。ステージは変わっても温かい人柄は何も変わっていないことがうれしかったです。
その数日後、本選開幕を前にベイスターズファンには嬉しいニュースが飛び込んできました。JFE東日本の補強選手として、日本製鉄かずさマジックの松本啓二朗選手がチームに加わることになったのです。
松本選手は合流初日から野手に積極的にアドバイスを送るなど、チームの力になるために心を砕いていると聞きます。須田投手も盟友との再会によろこびを隠そうとしません。
「僕は投手しか指導できない。でも彼が野手を見てくれるのは本当に頼もしいですよ」
2人は大学からプロ、そして今回、社会人で3度目のチームメートとして戦います。
「縁を感じます」
お互いこの巡りあわせに感慨深い思いを抱いているのは、2人だけではないはずです。
この7月13日から始まる都市対抗野球ダイジェストは私の古巣tvkでも放送されます。須田投手、松本選手の活躍を横浜の皆さんに伝えられる悦びを胸に、13日間選手たちとともに駆け抜けます。
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