「次の首相に相応しい人」を問う新聞各紙の世論調査で、軒並みトップの支持を集めている石破茂元幹事長。安倍晋三首相や小泉進次郎環境相らを抑え、最大のライバルとされる岸田文雄政調会長も大きく引き離している。その石破氏が、「文藝春秋」3月号の単独インタビューに応じ、「桜を見る会」問題などに関する安倍首相の対応に苦言を呈した。

石破茂氏  ©文藝春秋

「野党の支持者も公平に招待するのが筋」

「桜を見る会」を巡っては、第二次安倍政権下で招待者数が急増。自身の支援者らを多く招いていた疑いがもたれ、「公的行事を私物化しているのではないか」との批判が出ているのだ。中でも、石破氏と総裁選で戦った2018年の招待者数は過去5年間で最多の9494人。総裁選の支持固めに桜を見る会を利用していた疑惑も浮上している。

 石破氏は、第二次安倍政権下で招待者数が急増した問題についてこう語った。

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「総理は『功績・功労のあった方々などを幅広く招待した』旨を国会で答弁されていますが、少し言葉が足りないかもしれません。そもそも『桜を見る会』の趣旨は、保護司や人権擁護委員、民生委員の方々のような、決して良い報酬や待遇ではないにも関わらず、一生懸命に地域社会の一隅を照らして下さっている方々に、総理が感謝の意を伝え、労う場とする、というものです。行政府の長たる総理が国民の税金を使って開くわけですから、たとえ野党の支持者でも、公平に招待するのが筋だと思います」

国民の約8割が首相の説明に「納得できない」  ©文藝春秋

 安倍首相は当初、「招待者の取りまとめは内閣官房と内閣府。取りまとめには関与していない」と明言していたが、後に「事務所から相談を受ければ、推薦者について意見を言うこともあった」と自身の関与に言及。だが、地元支援者らを優遇していた疑惑などについては否定し、それ以上の詳しい説明を避け続けてきた。また、各省庁が内閣府に提出した「推薦者名簿」が破棄された問題についても「誠に遺憾」と答弁するに留まっている。