元凶は取り巻きの「官邸官僚」たち
――政策には、官僚が密接に関わっています。舛添さんは、「文藝春秋」5月号掲載の記事で、新型コロナウイルス対応における官僚の責任を追及されていました。安倍政権と官僚の関係の問題点はどこにあると見ますか。
舛添 今回のコロナ対応が失敗した元凶は、間違いなく「官邸官僚」つまり、安倍首相の取り巻きの官僚たちだと私は考えています。
たとえば、首相補佐官の今井尚哉氏(経済産業省)、和泉洋人氏(国土交通省)などは、第二次安倍政権の発足時からずっと官邸に居座っています。なんだかんだ言って、首相をはじめ国会議員は選挙の洗礼を受けていますから、あまり無茶苦茶な政策はしないんです。それなりのブレーキがちゃんとかかる。ところが、彼らは違う。それがないから、完全な「独裁」になる。しかも、5年も6年も総理の側にいるわけで、並の閣僚など見下しているわけです。
友達と会えない。飲み会もできない。
— 安倍晋三 (@AbeShinzo) April 12, 2020
ただ、皆さんのこうした行動によって、多くの命が確実に救われています。そして、今この瞬間も、過酷を極める現場で奮闘して下さっている、医療従事者の皆さんの負担の軽減につながります。お一人お一人のご協力に、心より感謝申し上げます。 pic.twitter.com/VEq1P7EvnL
そんな連中が、外界と断絶した“孤島”の官邸にいるわけですから、世間の感覚がわからなくなって当たり前です。「アベノマスク2枚」がそれを象徴しています。1世帯2枚でなんとかしろ、と言われても普通の家庭は困惑しますよね。
さらに安倍首相は4月12日、ツイッターにミュージシャンの星野源さんの音楽に合わせて自分が寛ぐ動画をアップしましたよね。これもおそらく官邸官僚のアイデアでしょうが、自宅にいたくても仕事に行かざるを得ない人たちへの配慮が全くありませんでした。徹底的にズレている。
むしろ今、打ち出すべきは、クオモNY州知事のように、不眠不休で働く政治リーダーの姿、必死に戦う姿であるべきです。しかし、官邸官僚は、もはや“普通の感覚”がわからなくなってしまったのでしょう。
「絶対的な権力は、絶対に腐敗する」
今回のコロナ危機は、奇しくも歴史家のジョン・アクトンが残したこの言葉の通り、官邸の感覚がいかに国民とずれているかということをあぶり出したのでした。
(後編に続く)
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安倍官邸「無能な役人」の罪と罰
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