2連敗で迎えた9月20日のファイターズ戦(札幌D)。マリーンズは最終回二死から同点に追いつくと延長10回に2点の勝ち越し。マウンドに澤村拓一投手が上がった。簡単に二死を取るも、そこから3四球。どこかいつも以上の力みを感じた。最後は渡邉諒内野手をセカンドゴロに仕留め試合終了。マウンドから申し訳なさそうに頭を下げた。

「みんなに『明日、頑張ろう』とメッセージを発信しておきながら3四球ですからね。オレはなにをやっているんだよという感じでした。結果、0点で終われてよかった」と澤村。試合後は安堵の表情を浮かべていた。

澤村拓一 ©千葉ロッテマリーンズ

チームのグループLINEに送ったメッセージ

 チームのグループLINEに澤村からメッセージが届いたのは、その前日の9月19日の事だった。デーゲームに敗れ宿舎に戻ったタイミングだ。「切り替えてまた明日です! 明日は必ず勝ちましょう」。2カード連続の負け越しとなり落ち込む中で届いた絵文字を交えながらの力強い言葉。これに選手会長の益田直也投手も反応。「頑張りましょう!」と回答。翌20日の試合に向けて気持ちを切り替え、盛り上がった。

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「ちょっと2試合、うまくいかなくて雰囲気的にも暗くなっているように見えたので」と澤村はその時、チーム全員に対してメッセージを発信した理由を照れながら教えてくれた。ジャイアンツからのトレードが9月7日に発表され9月8日からチームに合流したばかり。チームのグループLINEに鼓舞するメッセージを入れることはなかなか勇気のいる作業だったと思う。

「確かにオレがそんなことを言っていいのかなあと最初はちゅうちょしましたよ。でもこういうところで気を使ってはいけないかなあと。鼓舞したい想いがあるなら、素直に気持ちを伝えるべきだと思って、メッセージをえい!と放り込みました。もっと長い文章も考えていましたが、さすがにそれは止めましたけどね」とその時の心境を振り返る。