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いつの間にか埼玉に溶け込んだ…ライオンズと西武鉄道の「幸福な関係」

文春野球コラム ウィンターリーグ2021

2021/03/06
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NPBとBCリーグの球団の共存

 今年からは、同じ埼玉のBCリーグ球団である「埼玉武蔵ヒートベアーズ」と提携して、コーチやトレーナー、選手を派遣するそうである。埼玉武蔵は、ここ数年私が注目し取材している球団だ。今季埼玉武蔵に派遣された長田秀一郎投手コーチは、「ともに埼玉の野球を盛り上げたい」と意欲的に語っていた。西武が特別埼玉出身の選手を多く獲得しているわけではないが、昨年埼玉武蔵からは、埼玉県桶川市出身である松岡洸希投手が入団を果たした。大いに活躍して欲しい。

 BCリーグは元々プロ野球チームのない地域にプロの野球を、と作られたリーグだが、近年では埼玉と神奈川でNPBとBCリーグの球団が共存することになり、その両県とも二つの球団が連携して地域の野球振興を目指している。自分の地元にNPBとBCリーグ球団があるということで、より一層埼玉が楽しくなるし、埼玉が好きだという気持ちは大きくなっている。

 メットライフドームエリアは、このオフでガラリと変わった。象徴的だった入場ゲートは撤去された。あのゲートは、西武球場創設当時からあったそうである。ならば私が高校生の頃、高校生クイズで訪れた時にもあったのだな……と感慨に耽る。子供達がグローブを持って走り回った外野の芝生にも、全面座席が出来た。芝生も良かったけれど、色々な座席が出来るので、楽しみ方も多様になる。座り心地のいい椅子は、長時間試合を見続けていても快適だ。

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 ただ、変わらないものもある。完全なドームにはやはりならないようだ。虫も熱気も入ってくるだろう。でも完全ドームにならないおかげで、定評のある球場グルメが更に充実していきそうだ。

 西武球場が西武ドームに変わっても、インボイスSEIBUドーム→グッドウィルドーム→西武プリンスドーム→メットライフドームに変わっても、西武電車は走り続ける。球場前の駅は、変わらず「西武球場前」駅だ。球場とエリアのラッピングは、新しく美しく楽しく変わっていく。メットライフドームエリアのグランドオープンは、3月26日の開幕日だ。乗ったことのない電車に乗る時のように、今、とてもワクワクしている。

ラッピングを担当した新入団選手たち(球団提供)

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