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大きなチャンスを手に特別な思いで挑むシーズン

 まだまだ続く。3月19日はジャイアンツの本拠地・東京ドームでの一戦。日本を代表する菅野智之投手との対戦を前にワクワクしながら一句。「突き抜ける ボクの打球が 白い屋根」。残念ながら試合で東京ドームの屋根を突き抜けるような鋭い当たりはなくノーヒットに終わってしまったが試合前にマリーンズ公式ツイッターで公開されたこの一句はファンの間で「過去最高にいい一句」、「倒置法だ!」と絶賛の嵐。ファンもコメントで「俳句をね 詠める四番 いかしている」と俳句返しまで登場するなど盛り上がりをみせた。

 翌3月20日は場所を横浜に移しての一戦。「横浜で スターになるぞ 今日こそ」。ベイスターズ戦だけに『スター』を入れての一句であった。一軍での経験を積み重ね打撃と共に読まれる一句も磨かれていった。

 そんな打てる俳人・山口はまもなく迎える開幕戦に思いをはせる。昨年は二軍で全試合に出場しチームトップの7本塁打もいまだ一軍経験はナシ。大きなチャンスを手に特別な思いで挑むシーズンがいよいよ始まる。

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「今は迷いなく振れていますし甘い球が来たら初球から振り抜くと決めている。ここまでオープン戦はプレッシャーとかではなくて楽しんでプレーすることができました。1年が終わった時に沢山ホームランを打っているようにしたいです。長打もあってチャンスに強い打者になりたいです」

 よく映像を見るなど憧れの打者は同じ8月18日生まれでかつては山口が今、背負う背番号「51」で大ブレークしたカープの鈴木誠也外野手。目指す頂は高く険しいが大チャンスの今年はそのキッカケとすべく燃えに燃える。

 3月26日の開幕戦は福岡でのホークス戦。日本シリーズ4連覇の強敵を前に山口は臆することなく堂々と詠み上げる。

「開幕だ 玄界灘で 大暴れ」

 マリーンズが目指すは令和の常勝軍団。山口はその大事なパーツになりつつある。若き選手たちが、きら星のごとく輝くマリーンズに注目だ。

梶原紀章(千葉ロッテマリーンズ広報)

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