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“こどもの日の呪い”を思い出す…ロッテのGWの戦績を調べてわかった意外なこと

文春野球コラム ペナントレース2021

2021/04/27
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 せっかくのゴールデンウィーク、緊急事態宣言である。

 ロッテの本拠地であるZOZOマリンは千葉県なので対象とはならず、無観客試合は避けられるようだが、自分のような都内在住のロッテファンは、やはり自粛するほかない。

 この1年間、何度も思ってきたけど……コロナが恨めしい。

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 何せロッテが好調だからこそ、だ。

 25日のソフトバンク戦は安田尚憲と山口航輝の“YYアベック弾”が生まれ、鈴木昭汰のプロ初勝利。4カード連続で勝ち越しなのだからファン的にも気分は上々、いや最高である。

 思い出すのは1カ月前。近藤監督(文春野球の方)から鈴木昭汰のように抜擢していただいた第1回(過去のドラフト1位)の配信は、開幕5連敗中というタイミングだった。

「監督、ネットの反応見るのがツラいです」
「大丈夫、幕張の浜から日が昇る時は来るはずです……」

 こんな風にLINEで励まし合った頃とは打って変わって、双方浮かれ気味である。

「今回の記事、マーティン並みのデカいホームラン狙いましょう!」
「YES! ゴールデンウィークも順調に勝てば首位見えちゃいますからね~エヘヘ」
「あ、でもゴールデンウィークと言えば“こどもの日の呪い”思い出しちゃうんですけど……」

 近藤監督が言及した、こどもの日の呪い。詳しく書くと切なくなるので簡単に触れるだけにするが、1998年から2006年まで全く勝てないなど、なぜか5月5日に勝ち運から見放される――というものだ。

 いや待てよ、最近はゴールデンウィーク中に範囲を広げれば、そんなに成績悪くない気がするんだけどな……というところで思いついた。「2010年代ロッテのゴールデンウィークの成績」を調べてみることにした。

※ゴールデンウィークの概念は「昭和の日」の4月29日もしくはその前日と前々日の土日から、5月5日もしくは振替休日まで、としている。

「ゴールデンウィークの成績」を調べてみてわかったこと

<2010年代・ロッテのゴールデンウィーク成績>
2010年:○●●○○○●/4勝3敗
2011年:○○●○○●/4勝2敗
2012年:●○○●●○○○△/5勝3敗1分け
2013年:○●●○○○○○○/7勝2敗
2014年:○○●●○●●●/3勝5敗
2015年:●○●●○●●○/3勝5敗
2016年:○○●●●○/3勝3敗
2017年:○●●●●●○●/2勝6敗
2018年:●○○●●●○●●/3勝6敗
2019年:○○○○●●○●○/6勝3敗
合計:40勝38敗1分け

 ここ近年は黒星先行気味とはいえ、10年単位で見れば勝率5割を超えている。ゴールデンウィークがとりわけ不得手というわけではなさそうだ。

 あと調べてみてわかったのはこの時期、妙にソフトバンクと対戦していることだ。2013年なんて、9戦中6戦がソフトバンク戦である。勘弁してくれよ……と思いきや、オリックス戦を含む6連勝をマークしている。いいじゃないか!

 加えて、各シーズンのメンバーを見てると懐かしさで泣けてくる。

 例えば2010年4月29日、西武相手に10対5と打ち勝った先発メンバーと主な投打成績(打率、防御率はその日時点のもの)だ。

<打者>
1(遊)西岡 4打数3安打 打率.318
2(中)荻野貴 4打数2安打1盗塁 打率.336
3(二)井口 5打数2安打1打点 打率.354
4(一)金泰均 5打数3安打4打点 打率.303
5(左)大松 6打数1安打1打点 打率.290
6(右)サブロー 5打数3安打2打点 打率.288
7(指)福浦 3打数1安打 打率.278
8(捕)里崎 5打数2安打1打点 打率.244
9(三)今江 4打数0安打 打率.286

<投手>
○香月良 5回105球8安打3奪三振4失点 防7.20
 大谷 2回20球0安打1奪三振 防0.00
 秋親 1回19球1安打1奪三振1失点 防9.00
 小林宏 1回16球0安打1奪三振 防0.00

参考:https://www.marines.co.jp/gamelive/stats/2010042901/

 ヤバい、これはどこからでも点が取れる“マリンガン打線2010”である。投手にしても、点差に余裕があった最終回はコバヒロで締めているけど、ここに薮田らが控えていたと思うと……いいチームだったんだなあとホクホク顔になってしまう。

ロッテが下克上日本一した時のNumber766号 ©茂野聡士
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