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スワローズ交流戦3年ぶり優勝のカギを握るのは、塩見泰隆と嶋基宏だ

文春野球コラム ペナントレース2021

2021/06/02
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無事これ名馬なり

 まだ4年目ですから、調子の波が大きいのは仕方がありません。レギュラーでずっと出ていない選手が、調子を保つのは大変なんです。ただ、スワローズには青木さんや内川聖一さんなど「引き出しを持った」良いお手本がいます。自分の感覚とすり合わせて、どう修正していくか。そうすることで波の少ない選手になっていけるのではないでしょうか。

 無事これ名馬なり。名実ともに名馬になるきっかけがこの交流戦にあると思います。ブレイクする選手が現れると、チームの雰囲気もグッと盛り上がる。チーム浮上の鍵は「シオミヤスタカ号」が握っているのかもしれません。

経験豊富なナイスガイ嶋基宏

 経験豊富といえば、この男がいます。

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 昨年楽天から移籍してきた嶋基宏。僕もナイスガイを自任していますが、彼ほどのナイスガイを見たことがない。移籍前はまったく面識がなく、一緒にプレーしたこともないのに、なぜかウマがあう男です。

 他の後輩や先輩と違って、彼は本当にたくさん話をしてくれるので、思わずこう聞きました。

 三輪「嶋、俺のこと大好きだろ」

 嶋「いや、三輪さん。僕が一番好きかもしれない、三輪さんのこと」

 三輪「お前、嬉しいこと言うなよ」

 嶋「僕ら出会って何年?」

 三輪「まだ、1年3か月!」

 今年のキャンプも彼は人一倍練習していました。僕とバッティング理論の話になったときもありました。それをずっと温めていたのか、先日、試合前のティー打撃をしながら、彼が聞いてきました。

 嶋「三輪さん、これどう?」

 三輪「なに!? 冗談? ガチ? どっちで聞いてる?」

 嶋「いやいや、ガチ、ガチ!」

実績、経験、そして衰えぬ向上心

 近くに内川さんがいたので、嶋とは肩の開きが少し違うことを比較しながらヘッドの走りに言及しました。実績ではまるで違う僕にも、真剣にバッティングのことを聞く。現役生活の後半には差し掛かっていることは十分承知だろうけど、彼の向上心は衰えるどころか、増しているように感じます。

 実績、経験、そして衰えぬ向上心。今はベンチを温める日が多いですが、交流戦ではチームの頭脳となり、活躍してくれるでしょう。若手選手は「ナイスガイ嶋」からもいろいろ吸収してほしいと思います。

 そういう意味で、移籍後初となる古巣との対戦。楽天戦は嶋にも注目してみてほしいと思います。

 パ・リーグ移籍組の今浪隆博監督、今回もHITボタンよろしく!

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