炭谷銀仁朗は、兄貴肌で後輩の面倒見もよい
――(現役時代、埼玉西武で一緒にプレーされた)炭谷銀仁朗選手は渡辺直人コーチにとってどんな存在でしょうか?
「本当に野球が好きなんです。勉強熱心で準備も怠らないし、プロフェッショナルですね。兄貴肌なので後輩の面倒見もいいですし、先輩からも可愛がられるので、いい人間が楽天イーグルスにきてくれたなと思っています」
とても心強い選手が楽天イーグルスに加入してくれたと、渡辺直人コーチの言葉を聞いて確信した。セ・パで優勝経験がある炭谷選手も「上昇気流に乗れる様にやっていきたい」と7月5日の入団会見後に口にした。
――コーチとして優勝を味わってみたい思いは強いでしょうか?
「もうそれしかないと思っています。特に今年は東日本大震災から10年で特別な年なので、ファンのみなさんに元気をあたえられるようにと思ってスタートしています。必ず優勝できるようにがんばります」
選手からも慕われる渡辺直人コーチはとにかく人物があたたかい。3分間のインタビューでも、話した後になぜかスッキリしている自分がいることに気付かされる。きっとそれは放つ言葉に、人の気持ちを上げるエネルギーがあるのだ。
現役時代に登場曲にされていた「栄光の架橋(ゆず)」のように、選手と監督、選手とコーチ、選手とファンのみなさんの架け橋になれるのは渡辺直人コーチだと感じている。
今年の楽天イーグルスは強い!間違いなく強い!ここぞという時に強い!と感じている。それを圧倒的に感じたのは7月7日対オリックス13回戦(京セラドーム)だった。
9回表、1-5と4点ビハインドの2死1塁から始まったドラマは、球団生え抜き大卒10年目・島内宏明選手と岡島豪郎選手のアベックホームランでチームは大逆転勝利をおさめた。「野球は9回2アウトから」というのをリアルに感じさせてくれたゲームに、試合が終わってしばらく時間がたっても、ずっと興奮していた。
ペナントレース残り54試合、大好きなプロ野球の残り試合が少なくなることが、個人的にこんなにさみしく感じるのははじめてかもしれない。
いつだってチームとファンのみなさんは1つ。
「一魂(いっこん)日本一の東北」にむかって後半戦も強く羽ばたくことを願っている。
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