拝啓 涌井秀章様
残暑の候、わくわくさん、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
東京五輪で侍ジャパンが歓喜の金メダルを獲得してはや20日余り。プロ野球も再開し、セパ共に上位チームのデッドヒートが繰り広げられています。ファンとして観ている方は毎日面白いけれど、やっている選手たちは本当に大変だよね。そんな状況だけど、ちゃんとご飯とか食べてる? スムージーとか飲んでる? G.G.はいつも君の健康を心配しています。
今年のプロ野球は、全143試合が予定されていますが、これまでどのチームも100試合前後を消化。残りは3分の1を切りました。セ・リーグは、阪神、巨人、ヤクルトのAクラス3チームがひしめき合う混戦。パ・リーグは、首位オリックスをロッテ、楽天が追いかける展開ですね。今年は東日本大震災から10年の節目。楽天の優勝はもちろんのこと、普段はポーカーフェイスな君が、胴上げの歓喜の輪のなかで、ニッコニコになるところが見たいと切実に思っているところです。
松井投手を欠いたなかで鍵を握る存在
30日現在、3位楽天は2位ロッテと2ゲーム差。首位オリックスとは4.5ゲーム差につけています。27日からの対ロッテ3連戦でまさかの同一カード3連敗。しかし、これは楽天が弱いというよりも、藤原恭大、安田尚憲、山口航輝選手など若手の台頭が目立ち、中継ぎ・抑えの投手陣が安定してきたロッテの投打が噛み合ってきた印象があります。やはり、残り試合において、物を言うのは「この展開に持っていったら勝てる」という所謂勝利の方程式を確立することでしょう。そういう意味で言えば、楽天は守護神の松井裕樹投手が離脱したことはかなりの痛手と言えますね。ここに来ての全治1ヶ月はかなり厳しい。もう、わくわくさん抑え行っとく?
思い起こせば、開幕前に楽天の最大の強みとされていたのは、その豪華過ぎる先発陣でした。超スーパースターの涌井秀章投手を筆頭に、ヤンキースから帰ってきたマー君、岸、則本、早川投手といった面々です。
野球は投手で決まる――。
そんな言葉があるくらい、先発投手は大事な存在ですから、楽天の快進撃に期待が高まったわけですが、その一方であまりにもビックネームが名前を連ねたことで、他球団のスコアラーたちが躍起になって攻略しているようにも見えます。
「配球が読まれている」「相手チームがよく勉強しているな」そう感じることも多々あり、シーズン途中で炭谷銀仁朗捕手を補強した楽天首脳陣の気持ちは理解できるものがあります。太田光捕手はよくやっていると思いますが、それでも研究してきた相手のさらに裏をかく経験が必要なのは明らかでしょう。
勝運に恵まれないなかでも今日までQS12回と安定感抜群のマー君はこのさきも持ちこたえてくれると思いますし、わくわくさんや岸投手の2人は、自分で修正する力があることを僕は知っています。優勝に向けた鍵は、先発陣が期待通りの活躍をすること。悪い時期はあるのは仕方がないことで、トータルで高い平均値を出してくれたら、きっと勝てる。
問題の中継ぎ陣は、松井投手を欠いたなかで、安樂投手を中心になんとかかたちを作るしかありません。そのなかで鍵を握る存在として、宋家豪投手に注目しています。ここまで21ホールドを記録し、課題だった被本塁打も2本に押さえているので、このまま安定感を持って走り抜けて欲しいものです。投手陣が機能して、安樂、宋、酒居の3投手が盤石ならば、結果を自ずと付いてくるはず。