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「ミュージシャンが逮捕されたからといってマネジメント側が公表する義務はないですし、作者の犯罪と作品が別物なことも理解しています。ただ村上の曲が聞こえたり写真を見たりすると絵里が当時のことを思い出してしまうようで……。一度Mall Boyzのメンバーが村上の作品を名前を伏せて逮捕後に発表したのですが、村上は自宅で作曲活動をしていたので、いくら名前を伏せても聞けば分かってしまいます。そのことは後から謝罪されましたが、村上が所属するMall Boyzの人には逮捕も含めて事情を伝えたうえで、村上の未発表曲を使用する場合などには情報を共有してほしいと話し合っていたのですが」

村上が出演予定だった2020年11月29日のイベント

「裏切られたような気持ちになりました」

 しかし、2021年8月に発売されたカルチャー雑誌のMall Boyzの特集には、村上の写真が掲載された。インスタグラムにもその写真が転載され、それが絵里さんの目に入った。

「Mall Boyzから雑誌掲載の連絡はもらっていなくて、問い合わせたら『顔は見えていないから』『昨年から決まっていた企画で撮影も終了していたので変更できなかった』と後から言われたんです。そういう事情があるなら出る前に教えてほしいだけなのに、事前に連絡をもらう約束は現状守ってもらえていません。しっかりコミュニケーションをとると言ってくれたから信じたのに裏切られたような気持ちになりました。

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 楽曲の取り扱いについても、いまだにうやむやな状態です。一部の楽曲ではクレジットから村上の名前だけ消して、でも配信はしている。関係者には対処しなければならないという意識はあるんでしょうけど……」

村上と遊ぶ小学生時代の絵里さん

 Mall Boyzとの連絡自体もスムーズではなく、絵里さんと母親のストレスになっている。

「2021年7月頃に、SNSで『村上が性犯罪で逮捕された』と騒ぎになったことがあり、その時にMall Boyzから『村上の現状について声明文を出すので判決文を見せてほしい』と言われて判決を含めた関連資料を送ったのですが、騒ぎが収まったらうやむやになり声明文も出されませんでした。問い合わせをしても返信が遅く、一方で自分たちのPRは毎日のように発信するのも誠意が感じられません。それを見て絵里は『今日も返信来なかった』と落ち込んでいます」(絵里さんと母親)