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シコースキーとは今もやり取りを

「今年のチームは日本一になった05年に似ているかな。05年も野手ではベニーとフランコ、そして李承燁の外国人選手たちが打線を引っ張り、率先してリーダーシップを発揮していた。今年もレアードとマーティンが同じようにチームを鼓舞する役割を果たしている」と矢嶋氏。

 チームが苦しい時、助っ人外国人選手たちが仲間たちを鼓舞する。それは05年も今も同じ。マリーンズの良き伝統だ。「いい時も悪い時もある。大丈夫だ」。「オレたちは絶対に出来る!」。時代は変われど、同じように鼓舞し支えてくれる良き助っ人たちがマリーンズにはいる。そのことを矢嶋氏は誇りに思っている。

 色々な個性的な外国人選手たちもいた。中でも印象深いのはブライアン・シコースキー投手。初登板の時、一緒にマウンドに向かうと、突然、腕をグルグルと回し出した。驚いた。後日、その理由を聞いて納得した。

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「彼は冬場に寒いミシガン州の出身。高校の時から冬場のウォーミングアップとして体を温めるためにやり始めたと言っていた。最初は驚いたけど、すっかりファンの皆様にも定着した。思い出深い」と話す。

 今もシコースキーとはやり取りが続いている。その他にベニー・アグバヤニ外野手などマリーンズファンに愛された多くの選手たちと今でも交遊を続けている。「メールとかだけど、今のマリーンズの状況とか報告をしたりしている」と矢嶋氏は嬉しそうに話す。

 そんな矢嶋氏のプロ野球の通訳としての哲学はいたってシンプルだ。

「異国から来ている。自分も留学をした経験があるのでよくわかる。心細い。だから助けてもらえるとすごく嬉しい。選手たちが野球に集中できるようにサポートして、リクエストには、なるべく早く対応するように心がけている」

 今年も矢嶋氏は献身的なサポートを続けている。そして外国人選手たちは、チームを引っ張る活躍を見せマリーンズは優勝戦線を突き進んでいる。栄光の時は近い。誰よりもその瞬間が訪れるのをベテラン通訳は楽しみにしている。小学生だった1970年と1974年の日本シリーズはスタンド観戦。時は流れ05年と10年の日本一はスタッフとして貢献。そして再び。リーグ1位でリーグ優勝という栄光を手にすべく裏方に徹している。

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