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セ・リーグにパワーピッチャーが増えてきた

 加えて、ここにきてセ・リーグ各球団で投手陣、とくに中継ぎ陣に良いパワーピッチャーが揃ってきているという流れ。

 以前のような迫力がなくなってきたパ・リーグ各球団の打線を、セ・リーグ各球団のエネルギッシュな中継ぎ陣が抑えていく。

 今年はそんな交流戦になるのではないかと思っています。

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 とくに、我らがスワローズ、救援防御率1.93と、ここまでリーグ1位(2位は阪神の3.04。5月24日現在)の鉄壁の中継ぎ陣。

 その中で僕が一番注目したいのは、20年のドラフト1位で、プロ2年目の慶應ボーイ・木澤尚文投手。

 3月29日にプロ初登板を果たすと、5月8日の巨人戦でプロ初勝利。そして、ここまで15試合にすべて中継ぎで登板し2勝、防御率は1.21(5月24日現在)。

木澤尚文

五十嵐亮太を彷彿とさせる躍動感と球威、慶応ボーイらしからぬ筋肉質体型

 先日、神宮球場で初めて木澤投手の生のピッチングをバックネット裏の席から見ることができたんですが。

 あのロケットボーイズのひとり・五十嵐亮太を彷彿とさせる躍動感あるフォーム。そこから放たれる150km超のストレートの球威、そして何より、打者に全力で向かっていく姿勢。

 慶應ボーイとは思えない、筋肉質でガテン系のあの感じ。

 もう、最高でした。

 リリーフの適性を見抜いた髙津臣吾監督はじめコーチ陣も流石です。

 昨年までの制球難はどこ吹く風。彼はこれから先セットアッパー、いや、いずれはスワローズの抑えを任される日が来てもおかしくないんじゃないかと思っています。

 その通過点として、パワーピッチャーに強いとされるパ・リーグの打者陣を力で抑えられるかどうかが、試金石になるのではないでしょうか。

 ただ、今年もスワローズには木澤に負けない投げっぷりのいい右のリリーフ投手がいっぱいいます。

 マクガフ、清水昇、石山泰稚はもちろん、大西広樹、今野龍太、梅野雄吾。

 二軍からチャンスを窺っている選手も沢山いる。

 しかし、今の木澤はその中でも一番だと思っています。

慶應大卒で大成した投手は少ない?

 コントロールなんて気にせず、ド真ん中にどんどん力のあるボールを投げ込んできてほしい。

 真っ向勝負した結果、“KOボーイ”になってもいいじゃないですか。

 慶應大卒で大成した投手は少ない。

 そんなジンクスを絶対に打ち破ってほしい。

 まずは交流戦でその名をパ・リーグファンに轟かせてくれることを信じています!!

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