ベイスターズ予報士の檜山靖洋です。

「風青し」という言葉があります。青葉を吹き抜ける風が青く見えるように感じることを表す言葉です。そんな5月が終わり、関東甲信地方は梅雨入りも発表されました。6月は雨量が多くなる傾向が予想されます。梅雨の大雨には備えておきましょう。

ハマスタとZOZOマリンの風の吹き方。風に乗るのはどの選手か

 今シーズンここまでのベイスターズ、主力選手の欠場も多く、順風満帆ではありません。「優勝」の2文字が、風前の灯火とならないように、これまでの状況に何か風穴を開けたいところです。そんな中、3日には森選手が今季初出場しました。すると、いきなり軽快にショートゴロをさばき、さわやかな風が吹きました。そのあとのあの笑顔にやられてしまったファンは多いのではないでしょうか。

ADVERTISEMENT

 4日の試合では、代打で登場し、ヒットで出塁すると、即盗塁。佐野選手のヒットで二塁から快走してホームイン! 森選手がダイヤモンドを駆け抜けると、ハマスタに爽快な青い風が吹き抜ける気がします。やはり彼は応援歌の通り、スタジアムのヒーロー、輝く星となる存在だと思いました。

 風がよく吹くイメージのある球場と言えば、東京ドームの出入り口……はさておき、ZOZOマリンスタジアムや横浜スタジアム、甲子園球場を思い浮かべるかと思います。いずれも沿岸にある球場です。風が強まる状況のひとつは、低気圧や前線が近づき、そこへ向かって強い風が吹く時、もうひとつは海陸風(かいりくふう)で、日中晴れて気温が上がったときには海から内陸に向かって「海風」が吹き、夜間気温が下がると陸から海に向かって「陸風」が吹きます。夜間と言っても、ナイターの時間帯は、まだ海風が吹き、海風がおさまるのは夜遅くなってからです。甲子園球場の浜風は、この海風で、気温が高くなる夏を中心によく吹きます。ちなみに六甲おろしは、山から海に向かって吹く風で真逆です。六甲おろしは冬に多く、夏場の野球シーズンにはあまり吹きません。

 週末からの「湾岸ダービー」に合わせて、文春野球もベイスターズ、マリーンズ戦です。風が強いホームスタジアムを持つチーム同士、風と風のぶつかりあいです。風がぶつかるところには前線ができます。風のぶつかりが強いほど雨雲が発達し、雷やひょうなどの激しい現象が起きやすくなります。野球でも力と力のぶつかりあいのときは、激しい試合展開のシーソーゲームとなります。そんな接戦のナイスゲームを見たいですね。