目に見えないところでブルペンを確かに支えていた
気づけば2022年のレギュラーシーズンも終わり、いよいよ10月8日からCSファーストシリーズが始まった。相手はパ・リーグ3位、西武ライオンズだ。
福岡ソフトバンクホークスは惜しくも2年ぶりのリーグ優勝とはならず、パ・リーグ2位という結果に終わった。
ファンの悔しさ以上に、「なんとしても……!」と死に物狂いで闘ってきた選手達や監督……チーム関係者のそれは計り知れないものだったと思う。
目に涙を浮かべる選手達を見ながら、私もテレビの前で悔しさとともにどう表していいか分からない感情に襲われた。
だけど、下を向いている暇はない。選手達は、まずは目の前のCS突破、そしてその先の日本一を見据えている。
敗れたリーグ最終戦、プロ4年目の泉圭輔投手がマリーンズの山口航輝選手に勝ち越しホームランを浴び、責任を感じ、試合後泣き崩れる場面があった。
その傍らで片時も離れず、その身体を支え、グラウンドを後にする時もずっと寄り添っていたのが、森唯斗投手と中継ぎ最年長、嘉弥真投手だった。
自身も、その試合を左右する重要な場面で投げてきたからこそ、想像もつかないプレッシャーの中で闘ってきたからこそ、その気持ちが痛いほど分かったに違いない。
今シーズンは6年連続で、目標としていた50試合登板をクリアし、防御率0.99という結果を残した嘉弥真投手だが、数字だけではない、目に見えないところでブルペンを確かに支えていた。
この経験を糧に、必ず泉投手……いや今季チームを支えた中継ぎ投手陣はさらに進化をみせてくれるはずだ。その悔し涙が、嬉し涙に変わることをファンはみんな心から祈っている。
そして、シーズンを闘いぬいたその時には、ありったけの「ミーファイユー!」を送りたい。その時までどんなことがあっても、私達ファンは全力で応援し続ける。
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