視聴者はテレビのコンテンツから離れているのではない
まずは、以下に配信と比較したテレビの優位性を3つ挙げたい。
1.テレビは最強のコンテンツ
ホルダーテレビは、放送をすることで著作権をクリアにしたコンテンツを365日24時間蓄積できている。
2.テレビにはコネクションがある
テレビは、コンテンツを作るためにキャスト事務所や制作プロダクションとの間に長年のコネクションを蓄積してきた。
3.テレビは無料放送
無料放送ということが続く限り、高齢者や生活弱者にとっては重要なメディアテクノロジー(情報収集の手段)たり得る。
私は「テレビのコンテンツから視聴者が離れている」のではないと考えている。
知らず知らずのうちにテレビ局が作った番組を配信というプラットフォームで見ている視聴者が多いということを鑑みると、まだまだ魅力的な番組やコンテンツがテレビには溢れている。
視聴者はテレビという「システム」から離れているのだ。
決まった時間にテレビの前に座り、家族そろって同じ番組を見るといったような視聴習慣に魅力を感じなくなっている。核家族化や生活スタイルの変化、家族間の嗜好性の多様化も理由としてあるだろう。
私が子どものころには、土曜の夜8時には家族そろってブラウン管テレビの前に座ってTBSの『8時だョ!全員集合』を見るといったような決まりごとがあった。
生き残りの鍵は「リテラシー」と「オリジナル」
しかし、そんな習慣も過去のものである。配信時代にテレビが生き残ってゆくためには
テレビが生き残るためのヒントは何か。
それは2点に集約される。
1.「リテラシー」を磨く
2.「オリジナル」の確保を目指す
放送や配信の世界においていま、「リテラシー」や権利に関する問題が多発している。「リテラシー」とは、元々「字が読める」とか「読み書きができる」という能力を示す言葉であり、「文字」を意味するletterに由来している。そこから転じて、ものごとを「解釈」「分析」して「理解」し、それを駆使して「表現」や「発信」をすることができる能力を意味する。
テレビが生き残ってゆくためには、テレビに携わる者すべてがこのリテラシーを磨く必要がある。