5月2日、歌舞伎町のチェーン焼肉店で、ホストがジョッキに放尿するという迷惑行為があった。これを受けて、そのホストたちが所属しているグループ、AIR GROUPがXで「お詫びとご報告」を出す事態となった。
そんな騒ぎが絶えない新宿・歌舞伎町で、悪質ホストの被害に遭った当事者や親からの相談と支援、啓発をしている青母連代表の玄秀盛さんは歌舞伎町の現状に警鐘を鳴らす。
「新年度になって、多くの若者が都心へ来ている。新しい仕事や学業の進路が正しかったのか、と無気力感、不安感や焦燥感が襲う。そんな『五月病』の心の隙間に入ってくる悪質ホストが多くいる。彼らはSNSやマッチングアプリに罠をしかけている」
青母連の相談者に話を聞く
昨年4月に、中国地方から上京してきたSさん(25)は、ホストに貸した約400万円を取り戻すためにもがいている。Sさんは、生まれ育った中国地方で介護士をしていたが、一人暮らしをして自立しようと、東京の介護施設へ転職した。
「ホストは、最初から私のお金をどう取るかを考えていたはずです。あのホストが憎くてたまりません。最後に会ったとき、『僕とのLINEのやりとりを消せ』と言われ、証拠を消したことをすごく後悔しています。女性たちには、だまされないでと言いたい」(Sさん)
Sさんは昨年5月頃、マッチングアプリで知り合った男性と連絡を取り合っていた。
3回目のデートでホストクラブへ
「男性から『接客業をしています。(あなたの)感じがいいですね』とメッセージが来たんです」(Sさん)
何度かアプリ内でやりとりしていると男から「実は夜職なんだけど偏見はありますか?」ときたという。「ないわけではない」とSさんは返信した。
そして、GWにご飯へ一緒に行ったときに「ホストなんだ」と言われたという。
5月末、3回目のデートのとき、ホストから「付き合いたい。クラブの代表に紹介したいから今夜クラブに来て欲しい。支払いは1万円でいいから。半分は僕が出す」と言われ、ホストクラブへ初めて足を運んだ。
「その日は、会計が1万円で5000円払って終わりました」(Sさん)