「豪快キャプテンは絶対決勝行きます。これ行きます。爆発します、僕は知ってます。間違いないです」

 今年4月13日放送の『マルコポロリ!』(カンテレ)の中で、お笑いコンビ・隣人の橋本市民球場はこう言い放って自信ありげに頷いた。その根拠には触れなかったが、同番組で共演したダブルヒガシが「エグい」と口を揃えていたように、豪快キャプテンは関西の劇場で「一番ウケている」コンビとして知られている。

(左から)ヤーレンズ、めぞん、真空ジェシカ、ママタルト、たくろう、豪快キャプテン、ドンデコルテ、ヨネダ2000、エバース

「ボケがない」「東京では厳しい」と言われるも…

 2023年から2年連続で『M-1グランプリ』準決勝進出。大阪の予選会場では爆発的にウケるも、東京のNEW PIER HALLで開催される準決勝では思うような手応えを感じることができずにいた。ボケのべーやんとツッコミの山下ギャンブルゴリラ(名付け親はニッポンの社長・辻皓平)のキャラクターが浸透するまでに、それなりの時間が必要だったのだろう。

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 初の準決勝に駒を進めた2年前、筆者の周りにも彼らをプッシュする声がなかったわけではない。実際、2023年に開催された『第12回 ytv漫才新人賞』決勝で3位となったネタ「タバコ」は、かなりのインパクトがあった。加えて、同年の『M-1』予選で同じネタを披露したことで、ツッコミを見せる大柄な山下の面白さがより知れ渡った印象が強い。

 ただ、準決勝の壁を突破できないこともあり、必然的に東京に対する苦手意識が芽生えたようだ。前述の『マルコポロリ!』の中で、山下は「『ボケがない』と評判です、僕らのネタは」「僕がどんな小さいことでも勝手に怒るところ見つけて怒ってるだけの漫才になるので、『東京では厳しい』といろんな人から言われます」と口にしている。

 今思えば、次世代のM-1戦士が続々と準決勝に勝ち上がった時期とも重なっている。ファイナリスト以外を見ても、バッテリィズ、エバース、ナイチンゲールダンス、ダブルヒガシ、華山ら、どの組が決勝に進出してもおかしくない脂の乗り方をしていた。

 タイミングを逃し、しばらく準決勝にたどり着くことができなくなるコンビも多い。そんな中、豪快キャプテンは準決勝進出をキープし、3回目の挑戦で決勝への切符を掴んだ。この数年で『M-1』ファンに認知され、ウケる土壌ができたと考えられる。橋本の予言は、これに裏打ちされてのものではないだろうか。