M-1で勝つよりも、まず、笑い飯に認めて欲しかった――。
2018年のM-1後、あと一歩のところで決勝進出を逃したひと組の漫才コンビに焦点を当て、本誌に「敗者たちのM-1グランプリ プラス・マイナス『奇跡の3分』」という物語を書いた。彼らや、彼らの周辺の芸人は、ことごとく冒頭のようなセリフを口にした。
もはや年末の風物詩となった漫才日本一を決める日本最大のお笑いイベント、M-1グランプリで優勝すれば、一夜にして世界が変わる。富も、名声も、人気も、一度に手に入れることができる。現代の芸能界で、これ以上のシンデレラストーリーはそうはない。にもかかわらず、「ミスターM-1」と称される笑い飯による承認は、M-1王者に匹敵するほどの価値があったという。
◯◯に認めて欲しい。それまで、このブランクに入りうる人物は、この世界では、ただ1人だけだと思っていた。笑いの神、ダウンタウンの松本人志である。
だが、違った。
◇
おでこに「火山」が2つ隆起していた。ぎょっとするほど大きく、赤かった。
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source : 週刊文春 2021年11月4日号