人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
子供の頃はいい人、悪い人、せいぜい面白い人、面白くない人ぐらいの分け方だったけど、それがいつしか自ら進路を決めなければならなくなった時、憧れの対象としてヘンな人の存在が浮上してきた。
ここでのヘンな人とは、凡人がなかなか理解し難いいわゆる芸術家肌の人物を指すが、上京し知り得たW氏は先輩の中でも取り分けヘンな人だった。
「あんた、今、セックスしてるでしょ?」
と、気が向くと昼夜問わず電話を掛けてくるのだ。世間的に言う代表作こそないが、W氏の漫画はヘンな人でなければ描けない貴重な代物。大いに影響を受けていたこともあり、無下に出来ず、毎度、その禅問答のような問い掛けに難儀した。
でも、どんな状況であれ見ぐるしいほど愛されたい(糸井重里氏Ⓒ)な僕としては、
「してる最中です!」
2カ月99円で
この続きが読めます。
有料会員になると、
全ての記事が読み放題
-
月額プラン
99円/最初の2カ月
3カ月目から通常価格2,200円
期間限定
-
年額プラン
22,000円一括払い・1年更新
1,833円/月
既に有料会員の方はログインして続きを読む
※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。
有料会員になると…
世の中を揺るがすスクープが雑誌発売日の1日前に読める!
- スクープ記事をいち早く読める
- 電子版オリジナル記事が読める
- 解説番組が視聴できる
- 会員限定ニュースレターが読める
source : 週刊文春 2021年11月18日号