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清原和博(野球評論家)「もうちょっとちゃんとしてくると思ったんですよ。プロ野球の監督になったらある程度、ちゃんとしてくる」|鷲田康

野球の言葉学 第597回

鷲田 康
エンタメ 社会 スポーツ

 コロナ禍で球界OBの生活が大変だという話を聞く。

 大きかったのは野球教室や講演会などのイベントがほとんどなくなってしまったことだった。そんな背景からいまは、ユーチューバー転身を目指すOBが目立ってきているという。もちろん50万人近いチャンネル登録者数を誇る元ロッテ・里崎智也さんらのような人気ユーチューバーもいれば、果ては登録者が数十人という淋しいチャンネルがあるのも事実。視聴回数が上がることが広告収入に直結するだけに、ネットニュースで話題となるような野球関係者の暴露系、騒動系の動画がアップされるケースも増えてきている。

 そんな時流に乗るように、昨年12月にユーチューブチャンネル「清ちゃんスポーツ」を開設したのが、西武や巨人、オリックスでプレーした清原和博さん(54)だった。

YouTuberとなった清原氏

「チャンネル登録者数は50万人を超え、打撃練習などの野球動画だけでなく格闘家・秋山成勲さんとのスパーリング動画がアップされると200万回を超える再生回数を記録しました。一方で注目されるのが自身の薬物使用関連の話。今も苦しむうつ病との戦い、薬物後遺症などを赤裸々に語る動画なども含めて、週2回ペースで配信しています」(スポーツ紙デスク)

 そんな中で物議を醸したのが、11月17日に更新された一本の動画だった。そこでは日本ハム・新庄剛志監督(49)の就任会見を観た清原さんが「ちょっとイラッとした」と、新庄監督に苦言を呈している。

 清原さんを刺激したのは、会見での新庄監督の、ワインカラーのスーツに襟の高いYシャツ、金髪、口ひげ、サングラスというド派手ないでたちだった。

「プロ野球100年の歴史があるわけですよ。(元巨人の)川上(哲治)監督から始まってね。絶対にプロ野球のOBたちは口には出さないと思いますけど、みんな嫌な気分になっているのは間違いないと思います」

 こう語り「ちょっとイラつきました」として、新庄への失望の言葉学をこう放ったのである。

「もうちょっとちゃんとしてくると思ったんですよ。プロ野球の監督になったらある程度、ちゃんとしてくる」

「清原がどの口で……」

 お説ごもっとも。球界の重鎮たちの思いを語った動画だったが、その一方で発言したのが、あの清原さんであることに違和感を訴える声も多くある。

「何せ巨人の沖縄キャンプに真っ白なスーツに裸足に革靴という姿で現れて、原辰徳監督を驚かせた過去のある人ですから。しかも薬物で有罪判決を受け、執行猶予中だった18年の甲子園球場での高校野球観戦の時にも、短パンにTシャツで現れて顰蹙を買った過去もあります。『そんな清原がどの口で……』という声が噴出しました」(前出・スポーツ紙デスク)

 背景にはPL学園高校の後輩でもある中日・立浪和義監督の存在があるという見方がもっぱらだ。同監督が打ち出した“茶髪、ロン毛、ヒゲ禁止”という方針が時代遅れと批判され、一方、自由奔放な新庄劇場がもてはやされる。立浪監督を思う“男気”が新庄批判となったという声もあるが、ユーチューバーとしては所詮、素人。こんな動画をアップしたサイト運営側の責任を問う声があるのも確かだ。

 いずれにしても薬物事件からの再起を期す清原さんにはマイナスにこそなれ、プラスにはならない。それだけは確かである。

毎日のように話題を提供する新庄監督

source : 週刊文春 2021年12月2日号

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