(こうざいひろあき プロ車いすバスケットボール選手。1988年生まれ。千葉県出身。12歳で車いすバスケットボールに出会い高校卒業後、2010年にイリノイ大学に編入。卒業後の13年、独でプロ契約を結ぶ。08年よりパラリンピック代表選手として出場し21年の東京大会で銀メダル獲得。現在は独リーグ・ランディルに所属。)
アメリカとの決勝戦まで進んだ東京パラリンピックは、僕にとってまるで豪華な「同窓会」のようでした。
高校を卒業した後、留学したイリノイ大学のチームのメンバー、大学のリーグ戦で対戦していたライバル校の選手たち……。今も一緒に戦っているドイツやヨーロッパの選手とも、あの日本のコートで再会できたのですから。
東京パラリンピックで銀メダルを獲得した車いすバスケットボールの日本代表。そのチームの中心にいた香西宏昭さんは、現在、プロ契約選手としてドイツ「ブンデスリーガ」のチーム「RSV Lahn-Dill」(ランディル)に所属している。先天性両下肢欠損という障がいを持つ香西さんが、このスポーツに出会ったのは2000年、千葉県に暮らしていた小学6年生のときだった。
僕は1988年に神奈川県茅ヶ崎市に生まれ、3歳の時から千葉市で育ちました。
両親と姉、僕の4人暮らし。同じマンションに暮らす同年代の友達といつも遊んでいましたね。
子供の頃から球技が好きだったのですが、特に夢中になったのが野球でした。夜になると、いつも父とテレビの前でプロ野球を観ながら、「次はこのボールかな」「ここはヒットエンドランかもしれない」などと試合の展開を予想し合っていたものです。
初回登録は初月300円で
この続きが読めます。
有料会員になると、
全ての記事が読み放題
既に有料会員の方はログインして続きを読む
※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。
source : 週刊文春 2022年1月20日号