一つの投資の失敗が、更なる痛手をもたらす。負のスパイラルに入った組織によくある話だ。そんな典型例がいまのロサンゼルス・エンゼルスで、大谷翔平投手(28)の去就が風雲急を告げる理由もそこにある。

過熱する報道をよそに、好調の大谷

 もちろん大谷を残留させたいのは山々だが、エンゼルスにとり最大のネックは、2019年オフに結んだ一つの大型契約だった。ワシントン・ナショナルズからフリーエージェント(FA)となったアンソニー・レンドン内野手(32)と結んだ7年総額2億4500万ドル(約330億円)という長期契約だ。レンドンはこの年、ナショナルズで打率3割1分9厘、34本塁打で126打点を記録し、打点王のタイトルを獲得する大活躍を見せていた。

大谷と故障で今季絶望のレンドン

「確かにメジャー屈指の三塁手であることは間違いないですが、ケガに弱いことでも有名な選手。案の定、昨年は7月に3度目の負傷者リスト入りすると、腰の手術で残りシーズンを離脱。今年も6月に右手首の手術を発表して、今季中の復帰は不可能になるなど、不良債権化しています」(スポーツ紙メジャー担当デスク)

 エンゼルスは19年にマイク・トラウト外野手とも、12年総額4億2650万ドル(約576億円)の大型契約を交わしている。来オフにFAとなる大谷との再契約は年俸60億円規模になるというのがもっぱらの声。チームの顔であるトラウトは仕方ないにしても、レンドンとの契約が、大谷との再契約で予算面の最大の障害となっている。残留の可能性がほぼない、と言われる所以なのである。

移籍先は金満球団?

 そこでいま移籍先の最有力候補として米メディアを賑わせているのが、ニューヨーク・メッツだ。

 メッツは投資家で総資産1兆円超と言われるスティーブ・コーエン・オーナーが所有する、メジャー屈指の金満球団。昨オフにはマックス・シャーザー投手と3年総額1億3000万ドル(約176億円)、単年換算では年俸4333万ドル(約58億円)という史上最高額で契約するなど、資金力にモノを言わせてチームを強化。その結果、今季はナ・リーグ東地区の首位を走っている。

「ファンの人も好きですし、球団の雰囲気も好きではある。でも、それ以上に勝ちたいという気持ちが強い」

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source : 週刊文春 2022年7月14日号