【前回までのあらすじ】美月を排除しようとする芸能界のドン。代理人としてそれに抗し、自身も追い詰められて事故で亡くなった弁護士の柴原恭士は、天童の父親だった――元写真週刊誌デスクの山岡の話に、奏は混乱する。「柴原さんを介して奥田美月と天童ショージがつながる、ということです」。奏は天童の事務所社長が公判後に送ってきたメールの一文を思い出す。
――「中野でチケット手売りしてたとき、瀬尾さんに声を掛けてもらった」――
天童が言ったとされるその言葉を紹介した後、児島は「瀬尾さんが当時大学生だったショージのことなんか知ってるわけないんですよ」と呆れたように書いていたが、天童は事実を話していた。
瀬尾は天童ショージ、いや、天童昇士を知っていたのだ。
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source : 週刊文春 2024年6月13日号