2023年9月30日、宝塚宙組の娘役・有愛きい(享年25)が、自宅マンションの最上階から飛び降りて自死を遂げた事件。「週刊文春」では、彼女を自死に追い込んだ“宝塚歌劇団の闇”を幾度にわたり報じてきました。事件発生から1年。今なお激動の最中にある、歌劇団の道程をたどります。
現役タカラジェンヌが告発「このままでは第2の飛び降り事件が起きる」
「角会長は辞めろ!」。怒号が飛び交う株主総会を乗り切った宝塚。だが、現役の星組生が明かす。「労働時間は前より長くなった。上級生のパワハラ指導は今も続いています」――。
前日、母に「精神的に崩壊して…」宝塚宙組娘役(25)を自殺に追いつめた《罵声、隠蔽、板挟み》
9月30日、高層マンションの最上階から身を投げた女性は、現役タカラジェンヌだった。なにが彼女を追いつめたのか。「清く 正しく 美しく」をモットーとする宝塚の舞台裏に潜む「魔物」の正体とは――。
「タカラジェンヌ(25)自殺の真相」宝塚歌劇団は壮絶イジメを8カ月放置した《内部告発続々》
「マインドが足りない!」「噓つき野郎」「文春なんてどうでもいい」。先輩たちから罵声を浴びせられた彼女は2日後、自ら死を選んだ。小誌が2月に報じたイジメ問題を「事実無根」と断じて放置した宝塚は、自殺後に突如、説明を一変させた。
宝塚は5年前の飛び降り事件も隠蔽していた 《真相追及第3弾》タカラジェンヌ飛び降り事件
“飛び降り”は今回が初めてではなかった。2018年6月、1人の予科生が苛烈なパワハラを苦に寮のバルコニーから身を投げた。家族は再発防止を求めたが“警鐘”は黙殺され……。
宝塚同期生の涙の訴え音声入手 「もう少し真剣にとらえて……」《真相追及第4弾》タカラジェンヌ飛び降り事件
若きタカラジェンヌが高層マンションから身を投げた事件に劇団が揺れている。それでも公演を続けたいトップと「信じられない」と動揺する下級生たち。「清く、正しく、美しく」がモットーの宝塚歌劇団に潜むウラの真実。
元タカラジェンヌが実名顔出しで告発する《宝塚歌劇団の悪しき伝統》“爆弾ノック”、“シメ”、“セレモニー”…「誰しも被害者であり加害者」
「どうして宝塚で体験したことをお話しするかというと、私自身も加害者だったからです」
凛とした表情でそう打ち明けるのは、元タカラジェンヌで公認心理師の東(ひがし)小雪さん。宝塚歌劇団で脈々と受け継がれてきた「悪しき伝統」を告発する。
宝塚雪組トップが怒りの直訴「私はもうやらない」 タカラジェンヌ飛び降り事件《真相追及第5弾》
若きタカラジェンヌの自死から約1カ月、劇団の迷走は続いている。責任転嫁を謀る上級生と対応が後手に回り頭を抱える幹部たち。劇団への不信感は遂に他の組へ伝播し、雪組トップスターが理事長のもとを訪れて……。
天海祐希が明かしていた宝塚への“嫌悪感” 真矢ミキ「嫌い」、100周年式典欠席《真相追及第6弾》タカラジェンヌ飛び降り事件
かつて宝塚でトップスターを務めた女優・天海祐希(56)。友人らに、同じ宝塚の先輩についてこう洩らしていたという。
「彼女は嫌いなのよ」
宝塚が隠す演出家“壮絶パワハラ”《真相追及第6弾》タカラジェンヌ飛び降り事件
10月上旬、宝塚歌劇団の木場健之(こばけんし)理事長宛に1通の手紙が届いた。そこには宙(そら)組に所属する娘役・有愛(ありあ)きい(享年25)の死を悼むとともに、劇団の責任を問う内容が綴られていた。そして、手紙は次のような要望で締めくくられていた。
宝塚歌劇団「捏造と隠蔽」 週刊文春だけが知る全内幕《真相追及第7弾》タカラジェンヌ飛び降り事件
若きタカラジェンヌの急死から45日、事態は急展開を迎えた。劇団が調査結果を発表し、イジメを否定、遺族側が真っ向からそれに反論したのだ。過重労働、パワハラ……。彼女を追いつめた「宝塚の闇」とは何だったのか。
「イジメなし」ウソ会見に激怒 花・雪・星組トップが宝塚幹部に改善要求!《真相追及第8弾》タカラジェンヌ飛び降り事件
若きタカラジェンヌの死の背景にあった上級生による壮絶イジメ。だが、劇団は11月14日の調査報告会見でそのすべてを黙殺した。一方、宝塚のトップスターたちからはついにパワハラ環境の改善を求める怒りの声が――。
有愛きい同期母が悲痛告白「あの子らは夢見る奴隷です」《真相追及第9弾》タカラジェンヌ飛び降り事件
若きタカラジェンヌの死から2カ月が過ぎても、劇団の過重労働の実態は変わらない。“奴隷”のような労働環境の改善とパワハラ撲滅を求める声が強まる中、宝塚では今日もまた新たな“事件”が勃発してしまった――。
宝塚を牛耳る“ドンと女帝”《真相追及第10弾》タカラジェンヌ飛び降り事件
タカラジェンヌの死から2カ月あまり。ようやく決まった宙組全公演中止のウラには劇団を牛耳るドンの意向があった。そして、その妻は時にトップスターの人事にまで口を出すという。独裁夫婦の下で劇団の改革は進むのか。
絶望の宙組説明会【12・4 実況中継】タカラジェンヌ飛び降り事件《真相追及第11弾》
「中止期間を設けて、宙(そら)組として新たにスタートしていくために何が必要なのかを、生徒一人一人が考えてほしいと思うねんね」
12月4日、宝塚歌劇団宙組生六十数名にそう語りかけたのは、劇団ナンバー2の高田健司専務理事。その日、劇団幹部とパワハラ主犯格が語ったことは――。
「宝塚のジャニーさん」小池修一郎氏“地獄セクハラ”を暴く タカラジェンヌ飛び降り事件《真相追及第12弾》
ヘアアイロン事件の“隠蔽会議”を提案した宝塚特別顧問。紫綬褒章も受けた名演出家には「裏の顔」がある。若手演出助手は温泉に誘われ、「ど〜せ勃ちの悪いオヤジ…」という強烈なセクハラメールも。劇団員は彼をこう呼んだ。「宝塚のジャニーさん」――。
宝塚「闇の金」《真相追及第13弾》タカラジェンヌ飛び降り事件
過重労働と過酷なパワハラだけが宝塚の病理ではない。大役を手に入れるために必要なウラの金、脱税の温床と指摘される「花代」の実態とは? 「清く 正しく 美しく」の伝統の闇に巣食う「宝塚の金権構造」を徹底検証する。
角会長雲隠れ、演出助手降板…宝塚のパワハラは終わらない
〈今変わらなければ宝塚歌劇が永続する道はないとの危機感を持ち、(略)、理事長として、不退転の決意で臨んでまいります〉
宝塚歌劇団の機関誌『歌劇』1月号で“改革”への決意表明をするのは、劇団理事長の村上浩爾氏である。
《宝塚宙組パワハラ調査》組長とトップが吐いた噓
1月22日夜7時過ぎ、宝塚大劇場7階の応接室では“極秘会談”が開かれていた。歌劇団の村上浩爾理事長と相対するのは、宙(そら)組トップスターの芹香斗亜(せりかとあ)と組長の松風輝(あきら)。2人が劇場裏口から出てきた時には午後10時を回っていた――。
宝塚宙組トップが「私は謝らない」《真相追及第16弾》タカラジェンヌ飛び降り事件【全内幕】
「事実無根」としてきたパワハラをようやく“一部”認め、角会長が謝罪の意向を示した宝塚。だが、いまだに遺族側が求める「イジメ上級生の謝罪」は実現しそうにない。宙組トップは劇団の説得に応じず、〈信じて待っていて〉とのメッセージをファンに配信。そして、角会長を記者が直撃すると――。
source : 週刊文春