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2019/01/26

ひとり旅でも楽しめる温泉とは?

 一方、自分のための温泉旅へのニーズも高まっている。ひとり旅は、ここ数年増加する一方だ。自由で気楽な旅がしたい、ひとりで旅するのが楽しいから、と自ら望んでひとり旅に出る人が増え、ひとりで宿泊しても楽しめる温泉への人気が集中している。

 現代湯治や新・湯治をテーマにした宿で体に優しい食事を食べて温泉に入り、自分の心や体をメンテナンスする旅が人気だ。その先駆者は宮城県・東鳴子温泉「百年ゆ宿 旅館大沼」である。2種類の源泉を8つの風呂で入り、通常の料理の他に玄米菜食を中心とした一汁三菜プランがある。

宮城県・東鳴子温泉「百年ゆ宿 旅館大沼」

 神奈川県・箱根湯本温泉「養生館はるのひかり」は、箱根という便利な場所にありながら、本格的な自然食を中心とした養生食が美味しい。

 新潟県・栃尾又温泉「宝巌堂」は、伝統的な共同湯に入って湯治をする文化が残る温泉地にある。ラジウム泉と呼ばれる温泉は、体温と同じ位のぬる湯で、じっくりと温泉につかり、心身を癒す。この宿の女将が作る野菜たっぷりの料理と魚沼産コシヒカリのごはんが体へのご褒美である。

新潟県・栃尾又温泉「宝巌堂」

 大分県・鉄輪(かんなわ)温泉「サリーガーデンの宿 湯治柳屋」は、湯治宿をモダンに改装している。なんと宿の中庭にイタリアンの美食レストラン「オット・エ・セッテ オオイタ」がある。大分の食材にこだわり、温泉蒸気で蒸す「地獄蒸し」は、魚も肉も野菜もとびきりの美味しさにしてくれる。

 究極のデトックスをするならば、青森県・青荷温泉「ランプの宿 青荷温泉」だ。谷間にある秘湯の宿で、電気もテレビもない。しかも、携帯電話は圏外である。源泉かけ流しの温泉に身を委ね、ランプの灯りでぼーっとする。畳の上で大の字になってうたた寝する。それがいかに豊かな時間であるかを実感するはずだ。